「帰って来ないのですか?」
「うむ」
 ここは街に数ある屋敷のうちの一つ、あの少女が住んでいる屋敷だ。屋敷というより城に近い。
 老人が心配そうにマレイアスを見る。

 女騎士マレイアス……この屋敷に騎士として雇われている女。19歳。

 ショート系の髪型に、目はぱっちり系、しかし気の強い女のタイプと言った方がいいだろう。
 巨乳ではないが美乳と言うのがふさわしいおっぱいだ。と言っても鎧を着ているのでいまいちよく分からないが。騎士としては当然だが一度脱がせて見たいと思わせる肢体である。
 特に目につくのは太ももである。女騎士は下半身がレオタード状になっているので太もものチラリズムがじっくりと楽しめる。それを強調するように太ももの周りにまとわりつく下半身用のガーターを装備している。腰の周りにはスカート状のガードがあるが、ちょうど股の前にはないようになっている。
 そのためどうしてもそこに目が行ってしまうのだ。そういう風に作ってあるのだろう。

「もう夜になる、まさかあの森に……」
「可能性はあります」
 お嬢様が最近森に行きたい行きたいとせがんでいた事を思い出すマレイアス。
「そうか……どうすればよいかのう」
 困る老人、自分の孫がいなくなった。心配でたまらない。
「見に行ってきましょう」
「森にかね? しかし……」
「大丈夫です、心配ならセイキンも連れて行きますから」
 セイキンとはマレイアスの弟弟子見たいなものだ。見習い騎士の少年といった方がいい。
「うむ、気をつけてな。わかっておるだろうが、今は……」
「はい」
 と一言だけ答える。老人が心配しているのには理由がある。最近エルフ達のいたずらが少々過ぎるところがあるのだ。
 それと……他のエルフ、つまりよそ者がこの森にいるという情報もある。
「では、すぐに行ってきます」
 軽く一礼して女騎士は出て行った。
 

 ――ううむ、エルフの件が心配じゃ。


 老人は何か気になる事を知っているようだ。しかしそれはあえて言わなかった。
 言った方が良かったのかもしれないが……。



「わかりました、僕も行きます」
 17歳になるセイキン。騎士見習いだ。
 少年から大人へ成長する途中の美少年と言えば一番似合う。
 身体は小柄、あまり大きくない。マレイアスの方がちょっと背が高い。
 二人は2頭の馬に乗った。もう辺りは真っ暗だ。しかしお嬢様が帰って来ないのは一大事だ。
 危ないとか言っていられない。こう言う時のための騎士でもある。二人は森へと向かっていった。

 


 夜の森……




 非常に不気味な夜の森。昼間とは180度様相が違う。
「お嬢様〜お嬢様〜」
 マレイアスの声が森に響く。結構かわいい系の声。透き通るような甲高い声というタイプ。
 それでいて気の強さも持ち合わせているといった声。これが戦いになると激しい声になるのだろう。

 


 もちろん……あの時の声もすばらしいものに違いない。



 真っ暗な森、一つ間違えば迷うのは必定。一緒にいるセイキンもさすがにちょっと雰囲気に飲まれている。それほどここの夜は不気味なのだ。

 (ん? あれは)
 マレイアスが何か見つけたようだ。……エルフがいる。サッと剣を抜くマレイアス。エルフとの関係は今は昔と違って悪化しているのだ。そのため剣を抜くしかない。

「こんばんは、あの子を助けに来たの?」
 女エルフのようだ。身体の大きさはサルンと同じぐらい。同じく肌が少し青黒い。
 しかしこちらの乳の形はなんともいえないほど魅力的。長方形タイプといえばいいのかもしれない。  微妙に丸みを帯びているおっぱいが色気を誘っている。下半身はミニスカート状だ。美しい太ももがチラチラと見え隠れする。
「あの子……知っているのか?」
「知っているわよ、捕まえてるの」
「なに!」
 叫ぶマレイアス。
「花を勝手に摘み取ってたわ」
「花を摘んだから捕まえたっていうのか?」
 グッと女エルフに近づくマレイアス。後ろではセイキンがこの様子を見ている。
「人間は勝手なのよ!」
 瞬間だった、エルフの手から触手状のモノが十本以上も女騎士に向かって放たれた!

 


 ブシャアアーーーーー!!



 その触手状のモノを次から次にそれを剣で狩って行くマレイアス。同時にセイキンも襲われている。

「やめろ、争うつもりはない!」
「うるさいわね!」
 女エルフは引かない。どうも大きい身体のエルフは攻撃的のようだ。
 次から次に触手攻めが続く。セイキンが疲れてきた。それを女エルフは逃さない。

「うわああああああっ!」
 足に触手が絡みつく、片足を無理やり持ち上げられた。強引に転ばされる。マレイアスがセイキンの声に一瞬戸惑った。それも女エルフは見逃さない!
「クッ!」
 マレイアスの手に触手が絡みつく。
 触手はすばやく両手を拘束して両手を女騎士の後ろに回させた。

「あはははっ! あっけないわね」
「……離せ!」
 マレイアスが叫ぶ。
「ふふふ、どうしてあげようかな」
 女エルフは楽しそうだ。にこにこしている。その時女エルフの横にあのサルンが現れた。

「あの女を助けに来たんだね」
 ムッとした顔でマレイアスとセイキンを見るサルン。近づいてきた。マレイアスにだ。
「お嬢様はどこにいる!」
「保護してるよ、もっとも今からお仕置きするつもりだけど」
「なんだと!」
 セイキンが後ろで叫ぶ。倒れたまま足を絡まれているセイキン。
 しかしそんな格好では説得力がない。
「お仕置きされたくないんだ」
「当たり前だ! ふざけるな!」
 女騎士が叫ぶ。エルフにお仕置きなんてそんな権利があるかという顔だ。
 それがさらにサルンをむかつかせた。
「だったら、変わりにお仕置きされてくれるかな? そうしたら返してあげるよ」
「馬鹿な事いうな!」
「馬鹿な事? 馬鹿はどっちだよ」
 サルンが触手を手から伸ばしてマライアスに絡みつかせる。
「ミシェルン、解きな」
「あ、うん」
 女エルフの名はミシェルンというらしい。ミシェルンの触手が解かれ変わりにサルンの触手で拘束される。同じようにセイキンも……。

「連れて行こう」
「洞窟に?」
「ああ……」
 何か考えがあるらしい。グイッと女騎士と騎士見習いを触手で引っ張る。そしてお嬢様の時と同じように宙に浮かせた。

「離せ!このおっ!」
 暴れるマレイアスとセイキン。しかし、宙に拘束されて浮かされては何も出来ない。
「フン、たっぷりお仕置きしてあげるよ、お前達は人間の代表の生贄だ!」
 相当人間に対して敵意があるようだ。
「は、離せエエエ!!」
 暴れるマレイアス。バタバタと下半身を動かす、チラチラと股の間も動く。
 エロスのにおいを出しながら。
 二人はそのまま洞窟に無理やり連れて行かれてしまった。


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