あん!またイッちゃう!――

 ミクのかわいいあえぎ声が地下牢一杯にこだました。イクたびにプルプルと震えるミク。それがミセルバのミクをもっと攻めたいという感情に拍車をかける。こちらも御領主が止めてくれないのだ。ひたすら続く攻め。
 今までの恩返しのようなつもりなのだろうか?とにかくミクは顔を横に、縦に、あらゆる方向に、そして腰をビクビクと。

 ――ミク……イクのよ、イキなさい。

 あはああっ、ミセルバ……さ……あうっ、きゃん!――

 またイッた……ミク。特におしっこの出る穴をなぞられるとぞくぞくするのだ。

「ミクはここをこうされるのが好きなのね」
「あはっ、だめ……いきたなあ……あうううう」
「駄目よ今日は徹底的にかわいがってあげるの。今までのお礼よ」

 イッた余韻に浸っている間もなくミセルバの次の攻めが始まった。





眠ってらっしゃるのかしら?

 コンコン、コンコン。コンコン、コンコン。

「ロット様、朝食のご用意が出来ておりますが」
「ロット様」

 ノックをする扉の向こうには、ベッドでロットとリリスが裸で抱き合って眠っている。

 どうやら。

 もう朝のようだ。

「ロット様」

 さきに気づいたのがリリス。

 あ!――

 あたりを見回すと明るい。

 ちょ……ちょっとどうしよう――

 キョロキョロと見回すリリス。いつもの冷静さがない。
「ロット様、まだ眠っていらっしゃいますか?」
 メイドが扉の向こうで再度問いかける。

 眠ってるわよ、と、リリスが言うわけには……いかないか。

 ん?――ロットも起きたようだ。リリスを見てその表情を見つめる。

「ロット様?」
 扉の向こうのメイドがさらにせかすように言う。すぐにピンっときたようだ。
「ああっ、あの、もう少し寝ていたんだ。後にするよ取っておいてくれる?」
「そうですか、わかりました。では当番にはそう伝えておきますので」
「うん、よろしく」

 パタパタとメイドは去っていった。どうやら危機は脱したようだ。

「ふう〜ビックリだよね」
「ふふ、ロット様」
 ロットの機転ににっこり微笑むリリス。が、朝食の用意が出来た……ということは。

 もうそんな時間……。

 予定では明け方までには自分の部屋に帰るつもりだったのだ。これはまずい。いそいそと服を着る。
 その服を着る様子を微笑みながら見るロット。

 ――きれいだなあ〜

 激しい一夜を過ごしたばかり。少年のしぐさや表情には、なにか殻を破ったような趣がある。なにかがはじけた……といえばいいだろうか?胸、腰、お尻のラインを見つめるロット。普通の男の目線ならそれをいやらしい目と言われることが多い。が、今のロットにはそのいやらしさがない。純粋な目で見ていると言った方がいい。

「では、ロット様」
「うん、また……会ってくれるよね」
「あ、は、はいもちろんですわ」
 妙にリリスがかしこまっている。ほんのりとほっぺが赤い。少し微笑んでいるようにも見える。心が満たされているのかもしれない。ロットとの激しい一夜。リリスが身だしなみをして出て行くまでじっと見守るようにロットは見つめていた。




 本当は一回自分の部屋か、自分の執務室に戻りたいところなのだが。もうバタバタと他のメイドたちは忙しそうに動き回っている。兵士や、騎士、側務官等に朝食を持っていったり、食堂に出来上がった料理を運んだりと大忙しだ。何事もなかったようにリリスは他のメイドたちを見回っている。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよう」
 
 ふう〜なんとかなったって所かしら。

 本当はもっと早く来て準備をきちんとしているかどうかを改めるのが、リリスぐらいの立場の役目なのだ

 あら?――ミク……

 ミクが――いない。

 ミクはここで忙しく動いていなければいけないはず。

「ミクは?」
 近くのメイドの一人に問いかけるリリス。
「はい、なんかいないようなのです」
「いない?」
「部屋に呼びにいったのですが・・・・」
「どこいちゃたんでしょうねえ」
 もう一人のメイドが不満そうに漏らす。どうやら探すことは探していたらしいのだが、忙しくてそれどころではないようだ。

「そ、そう、わかったわミクは私が後で探してみるわね」
「さあさあ!がんばって頂戴」
リリスの大きな声が響く。毎朝の事だ。この大厨房では。メイドや使用人たちはざわつきながらも走り回っていた。


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