赤い盗賊の衣装と女忍者のような衣装を組みあわせた格好。それがこの女盗賊団の特徴だ。
 リーダーのアイリーンとかいう女でも10代後半のように見える。若い盗賊団のようだ。

「ほ〜ら、ほらほらああぁっ!!――」
 網で動きが取れないところをさらに妙な白い液体で体中がまみれる。それによってますます男達は身動きが取れなくなった。ただ一人を除いては……

「うおおおおおおおおおおおっ!!――――」
 馬鹿力が取り柄のダグが思いっきり網を引き裂く! ものすごい形相で大男が立ち上がった。ダグの怒りはすさまじい。

「あんた、女にコンプレックス持っているんだよね〜」
 ダグだけが立ち上がって女たちを睨みつけた。
「なのに、なんであの馬鹿女の味方するわけ?」
「うるせえええっ! あの人は馬鹿じゃねええええっ!!――――」
 怒るダグ! 大姉御を馬鹿にされた気持ちは自分を否定されたのと同じように感じているのだ。
 白い液体まみれになりながら……

 さっと身をかがめる、アイリーン。強気のかわいい顔が引き締まる。上半身は盗賊タイプの赤い衣装、額に赤い鉢巻、赤い帽子だ。さらにその鉢巻の中心に黒の紋章つき。下半身はくの一特有の衣装。ミニスカートというかキュロットのようなタイプの上にスカートタイプの鎧を着込んでいる。みんな太ももがまぶしい。靴は西洋の盗賊が身につけているようなロングブーツものだ。色はもちろん赤。

女盗賊のリーダーのかぶっている帽子は、短い髪をまとめて見えなくしている。それがよく似合う。

「こ、殺してやるうううっ!」
 暴れるダグ。こうなると手がつけられない。しかし暴れているだけで、仲間を助けようとはしない。
 女たちに飛び掛っていく!

「おっと!」
 サッと身をかわすアイリーン。もうダグの性格はよくわかっているようだ。他の者たちも冷静である。
 
「うふ、ダグ……あんたかわいいねえ〜その単細胞の性格がさ」
 性格は悪いようだが。

「きさまああああああっ!!――――」
 怒るダグ! なるほどダグの冷静をなくすにはこうすればいいということか。さらに暴れるダグ!
 しかし女盗賊たちは、まったく捕まらない。

「あ……ううっ……」
 網に絡んでいる男達の様子が変だ。
「な、なんだ……コレ……しびれて……きやがった……」
 白い液体はただの液体じゃないということか。

「さーてこれ貰っていくね」
 女盗賊の一人が、堂々と無防備になった財宝の詰まった滑車を引き始めた。
「お、おのれ……」
 リーダーも立ち上がろうとするが、もはや手遅れだ。つけられていたのを気づかない方が悪かった。
 もがく男達……ただ一人ダグを覗いては……

「うおおおおっ!!――――」
 まだ暴れているが、さっきから全く女たちは一人も捕まらない。それどころか体力だけ消耗していく。

 少しずつだが、ダグの動きも悪くなっている。
「がんばってダグ! もうすぐ動けなくなるわよ」
 
 なんて言い方だ。

「く、くそおおおおおおおおおおおっ!!――――」
「あんた、暴れるのが好きなんだね〜その調子であの馬鹿女も犯してよ」
「な、なんだとおおおおおおおおっ!!――――」
 ますます怒り震えるダグ、尊敬している大姉御を犯せとは……
 馬鹿にされて完全に切れたようだ。めちゃくちゃに暴れる。単細胞の頭には相手の意図さえわからない。

 そして……暴れ方もおかしくなっていく……

 徐々にダグにも効いてきたのである。

「うわあ〜すっごい〜」
 ダグの怒りをよそに滑車に積まれた宝箱を見つめる女たち。これだけあれば当分遊んで暮らせそうだ。もう手に入れた後の話までしている。

 ズどーんっ!!――――

 その間にダグもついに倒れこんだ……

「こ、こら……人のもの……横取りすんな!……」 
 力なさそうに言うリーダーの男。
「横取りはしないさ、ちゃんと対価は払ってあげるよ」
 網の中で倒れている男達に近づく女盗賊のリーダーアイリーン。ゆっくりと肢体とふとももを見せ付けるように……

「なに?」
「さ〜てと……」
 ダグも動けなくなったところを確認するアイリーン。白い液体の効き目は効果抜群のようである。

「あたしの大事なところ見せてあげるから……それで我慢してね」
 と言ってゆっくりと身体をくねらせ始めた……
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