「殿下は? 見つかった?」
「いや、いない、准佐もいないな」
「困ったわね……どうなってるのかしら? なんかさっきメイドの一人から聞いたのだけどいつもいなくなるとしばらくは絶対に見つからないそうよ」
 クリティーナがジトに言う。

「まあ、いいんじゃないの? どこかに隠れているんだろう」
 はっきりいってかくれんぼはもうあきている。
「ちょっと、そんないい加減じゃ困るのよ」
 釘を刺すクリティーナ。ジトはもう探しつかれているようだ。今は状況が状況だけに心配しているクリティーナ。洞穴にいるなんて夢にも思わない二人。
「わかったよ、じゃあもう少し……」
 とジトが言いかけると、

「殿下! どうなさったのですか?」
 メイドの声だ!
「お、見つかったようだぜ」
 二人は声の主の方に駆けつけた。






「うん、だから……さあ〜」
 殿下がなにやら言っている。


 なんと……身体中が……泥だらけだ。

 ルビアもだ。ルビアの方はちょっと顔が赤いご様子。それに胸元が破られている後が目立つ。

 しかし……


 すごい匂い……なるほど……

「ちょっとふざけすぎちゃったんだよ、ルビアがあんまりしつこく追いかけるから」
「さ、ささっ、早く身体を洗いませんと」
 メイドたちが心配そうに連れ添っている。そこにはクリティーナとジトもいた。
「うんうん」
 なんか冷静なポポだ。
 泥を投げつけて遊んだと言うことにしたらしい。ルビアの胸元の件はくさい匂いで誰も聞こうともしない
 なにかの拍子に破けたというぐらいの気持ちだろう。というかこの匂いがたまらないのだ。
 ルビアの方は神妙にしている。どうしても動揺が隠せない。

 そりゃそうだ、横でメイドとやりとりしている少年のペニスを咥えてさっきまで悶え声をあげていたのだ 殿下のようには振舞えない。

 もちろんエッチなにおいもこれではわからない。汗のにおいもすべて泥のおかげで消えている。
 顔の表情も泥だらけでただ困っているという風にしか見えない。よく考えたものだ。あれからお互いに洞穴の泥を塗りつけあったルビアとポポ。最後にはちょっと笑っていた二人。

「准佐殿も汗を流されては? そのままでは……」
 ジトが言う。
「ええ、そうね、じゃあ後はよろしく」
 にこっと軽く笑うルビア。まだ目が冷静じゃない、キョロキョロしている。
 どうやら演技が下手なようだルビアは。とぼとぼとなんとなく歩いてごまかす女軍人。

「はあ〜本当に困ったものね、殿下のいたずらには」
 クリティーナがやれやれといった感じで見ている。どうやら誰にも気づかれてはいないようだ。
 
 においは強い。どうしてこうなったとかも聞くことさえもさせないくさい匂い。あの洞穴には都合のよいモノがあるものだ。だがルビアの目は普通にはなかなかならない。

 これからのことでルビアは頭がいっぱいなのだった。


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