王族たちにサルンの作った結界が包み込む……
 これで、もはや手も足も出ないだろう。すべての攻撃は結界でかき消されてしまう。

 ――くっ……

 ただただ王族たちも、黙ってラゼが犯されるのを見ているしかない!

「らぜえええええええええええっ!――――」
 だが、エルディーニにとってはたまったものではない!

「うぐあああっ!」
 スカート状の下半身の奥の鎧の部分に触手が入り込んだ! 鎧を壊し、恥部をあらわにさせる!

 にらむラゼ……またこんなことに……しかも今度は王族達が見ている前だ!

「弟にみせつけてやるんだ。僕らの愛の営みを」
「やってみろ! やれるもんなら!」
 ラゼが挑発する! ここに来ても屈指はしない!
「いい度胸だ、思う存分やってやるよ!」
 ペニスが強引にねじ込まれる!

「くはああああああっ!――――」
 液を垂らしながらペニスが入り込んでいく! 肉の感触を楽しむように……
「いい具合だ!――」
「やめろおおおおおおおおおおっ!――――」
 叫ぶエルディーニ! こんな屈辱の展開が待っていたとは……

「わはははははっ!―― あっはははははっ!――」
 笑う、あざ笑うサルディーニ! もはや兄弟の絆もあったものではない。この二人には、ただただ憎しみしか芽生えない!

「くわ!――」
 頭に恥部からくる疼きが走る! 一度覚えさせられた快感が、戦乙女を襲う!
「うれしいね、そんなに感じてくれて」
「うぐっ……はあああっ!――」
 にらみながら感じる姿に興奮する美少年。さらに、グイグイとペニスを動かす! いびつに大きくなった肉茎をねじ込むように入れて出すのだ! その恥辱の悦楽にラゼの表情がかわる!

「ラゼ……らぜえええええええええええええっ!――」
 もはや、悲痛な叫びでエルディーニはさけぶ!

 自分の婚約者が、兄に……いまここで……

 この展開に異様に気分が高まってきたサルン。パチンと指を鳴らした。


 すると、マレイアスが戻ってきたのだ。これをあえて見せようというのだろう。そして、下では、ランカたちが、この異常な展開を見ている……

 ――ラゼ様……

「ふふ、いい気味ね〜」
 ミシェルンはうれしそうだ。それをにらむランカ。
「なによ、あんたも感じてたくせに」
「……くっ……」
 言われて言い返せないランカ。
「お姉さま、もうすぐサルンは新しい王になるのよ。
 その時は、お姉さまを私の専属奴隷にしてもらうの」

 うれしそうに言うのはインリだ。もう、ランカの身体の予約をしているらしい。なんという小娘だ。下では、こんな雰囲気でも、上では異常なセックスが行なわれている!


「おおおおおおおおおおおっ!――――」
 狂ったように結界にぶつかるエルディーニ! 他の王族はそこまでしない。もう無駄だからだ。もう、それさえの力も残っていない。

 しかし、エルディーニは違う!


「らぜええええええええええええっ!――――」
 自分の婚約者が犯されて黙っていられるわけがない! そして、同じように叫んでいる女騎士がいた!

「ばっきゃろおおおおおおおおおおおおおおおっ!――――」
 カプセルの中で渾身を込めて叫ぶマレイアス! 赤いドレスを振り乱しながら、目の前の行為に怒りを覚える!


 これが、未来の強制夫の姿なのか?

「はははははっ!―― ひゃはははははっ!――――」 
 狂ったように笑うサルン。美しい顔は、醜悪に満ちている!

 すると……


「うおおおおおおおおおおっ!――――」
 
 なんと!――



 エルディーニが!
 結界をやぶったのだ!

 ――なに? 
 ラゼとセックスに気を取られていたサルン。弟が、決死の行為で向かってきた!
 精神すべてを怒りに変えてぶつけたのだ!

 その想いが結界を壊した! しかし、出れたのは自分だけ。さらに、もう守るカプセルさえ作るちからもない。その弟に無情にサルンの触手が伸びる!


「うわああああああああっ!――」
 防御する力もないままで、何も考えず無我夢中できたのだ。あっという間につかまってしまった!

「ちょうどいい……君にはいいアングルで見てもらおう」
 え? と思うマレイアス。エルディーニが触手によって……


 なんとラゼの股間の下に顔をくっつける!――
 目の前で結合部を見せつけようというのか!


 なんという卑劣な少年!

「あははははっ! 僕の意に逆らうやつは、みなこうなる! 覚えておけえええええええっ!――」
 笑う、さらに醜悪に満ちた顔で平然と笑い続けるサルン!

 マレイアスはカプセルの中で叫びまくっている!
 この少年は、もはや……

 ――く……くそおおおおおおおおおおおおおおおっ!!――

 何もできないマレイアス!
 ただただカプセルの中で、暴れているだけの女騎士。

 これが現実なのか……これが……

「うわあああああああああっ!――――」
 目をつぶって抵抗するエルディーニ!

 こんなもの、死んでも絶対に見たくないだろう……

「見るんだ! エルディーニ! 見ないと他の王族の命はない!」
 さらに弟を脅迫する兄!

「な、なんだとおおおおおおおおおおっ!――」
 今度はラゼがどなる!
「みれええええええええええええっ! エルディーニ!――――あはああああああっ!――」
 もはや常軌を逸脱しているサルン! エルディーニが目を開けた!


 今のサルンは本当にやる! その可能性があるのだ……

「おおおおおおおおおおっ!――――」
 目の前にあるのは、自分の婚約者の潤んだ膣と、憎しみだけの兄のペニスだ!

「うわあああああああああああっ!――――」
 泣くエルディーニ!

「あははははっ!―― あははははははああああっ!――――」
 勝ち誇るサルン! 対照的な二人! なんという皮肉!

 ――な……なんて奴だ……
 マレイアスはこの二人の愛憎を見て呆然としていた……
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