「いい! いいわ! たまら……ない」 あそこをぐっしょりとぬらしながらミセルバさまは悶えている。汗が出てきた女領主。その汗さえもあそこのすべりをよくするための蜜液にほかならない。 淫乱きまわりない、膣の中は指と官能の欲望に果てることも無く濡れそぼっている。それを焦らして楽しんでいるミセルバさま。 ――まだ、まだイッチャだめよ、ミセルバ……イッチャだめ…… イキソウになるあそこのお穴はもう限界のしぶきを上げようとしているのだが、ミセルバの身体が、心がそれを許さない。さらにもっと自らの肉体をいじめようとしているのだ。被虐の想いがそう簡単に望みのモノを来させないと抵抗している。それがまたミセルバのMの火を大きく燃え上がらせる。 ――はあ〜す、すごい、すごいわあ〜 自分で巧みに性欲のコントロールをする女領主。うつぶせになって顔を思いっきりベッドのシーツに押し付けて焦らし攻めに耐えに耐え抜いている。まだまだ辛いお仕置きを与えたいようだ。 「くっ……ううん……はああ〜」 腰が、お尻がふりふりと動く、おねだりおねだりといった感じ。うしろから見るともう襲ってあげたいような感覚だ。しかし誰も襲うことは出来ない。 顔をシーツの中に押し込む、さらにお尻だけ必死に持ち上げて淫乱さを尻に集中させる。そうすることによってさらなる被虐の欲求を取り込んでいるミセルバ様。 ――まだまだ、まだまだイクわけにはいかないわ。 汗を流しながら、自分で自分に命令するミセルバ様、身体はすっかりMの身体になり始めていた。 ミセルバが新しいオナニーにふけっているころ…… 「この屋敷の中にはアウグス家の馬車はない」 「本当か?」 引き下がらないリシュリュー。 「リシュリュー殿、この私がウソを言っているとでも言われるか」 「この足跡は間違いなく馬車の足跡の物、これがなによりの証拠だ」 リシュリューは毅然とした態度で言った。荒々しい馬の蹴った足跡が確かにある。しかしこれがアウグス家の馬車の足跡とは決め付けられないのは確かだ。 「この足跡が? これは別のあるお方の馬車のものだ」 しかし相手の黒騎士も言い返す。 「別のある方だと? この足跡を追ってわれわれはここまできたんだ、間違いない!」 語気を強める騎士長、しかし向こうの黒い騎士長も負けてはいない。 「あなたはこの足跡がアウグス家の馬車だと言われるが、その証拠はあるのですか?」 「だからわれわれはこの足跡を追ってきてここに来たといっている!」 引かないリシュリュー。珍しく感情的になっている。 「そのような勝手な推測で屋敷内をさぐらせるわけにはまいりませんな」 きっぱりと言う相手の騎士長。がんとして動かないといった感じだ。 「ならば……権限で調査をさせてもらう」 ――え? アウグス家の騎士たちが驚く。 「本気か? リシュリュー殿……あなたは本気で言っているのか?」 「われわれアウグス家の騎士には調査権がある、それはあなたも知っていよう」 確かにアウグス家の特にミセルバさま直属の騎士には特別な権利があるのだ。 他の貴族の騎士とは違い、ミセルバ様の騎士には必要ならば他の家などを調べたり検閲したりする権利はある。 調査権はあるのだ、 しかし…… 「リシュリュー殿、それは平民に対してのもののはず、まさかあなたはツス家の屋敷の中を勝手に捜索できるとでも言われるのか?」 こちらも語気を強めた。 「確かに平常時にはそうだが、緊急を要する場合は貴族の身分の方でも調査を出来るように法でなっているはずだ」 「リ、リシュリュー殿……」 あわてはじめる他の騎士たち。 まさかここまで上官の騎士長が強気に出るとは思っても見なかったのだ。 「それは私も心得てはいる、しかし……もし……もしもだ……馬車がなかったら、その人物がいなかったらあなたはどう責任を取っていただけるのかな?」 リシュリューを見ながら相手の黒騎士は落ち着いた様子で言った。 「リシュリュー殿! ここは一回城に戻り、ミセルバさまと御相談のうえ……」 このままではやばいと思ったアウグス家の騎士たちがリシュリューを懐柔し始めた。 「それでは手遅れになる! 中にいるリリスとミクはどうなる! その時は、その時、覚悟は出来ている!!」 「騎士長!――――」 騎士の一人が門の中に入ろうとするリシュリューを取り押さえる。 「騎士長、落ち着いてください!」 騎士たちがリシュリューを取り押さえにかかった。これ以上揉め事にはかかわりたくないというのが本音だ。というより独断でことを成す事が怖い。 アウグス家の娘がさらわれたというならともかく…… それに相手が相手過ぎる…… 「離せ! お前達! 離せ! 責任は私一人で取る!!」 もはや常軌を逸脱し始めたリシュリュー。いつもは冷静な男が…… 「はなせええええっ!!――」 リシュリューが叫ぶ! この屋敷の中には……屋敷の中にいるのだ。 二人が……二人はいるのだ! 「はなせえええええっ!! うおおおおおっ!! はなせええええっ!!――――」 暴れるリシュリュー。正義感の強いこの男にとってこれは許せないことだった。 (目の前に二人がいるのだ!! なぜ! なぜそれがここで止まらねばならん! なぜだ!) 「騎士長殿!!――」 騎士たちが、力ずくで止めに入る。もし馬車が見つからなければ、リリスとミクが見つからなければ大変なことになる。へたをすれば自分達の身も危ない。 もう向こうは手を打っているはずだ。 見つかるようなことはさせないだろう。 広大な屋敷の敷地、中を全部探すといってもそれは無理だ。一晩は平気でかかる。 「うおおおおおっ!!―― はなせえええええっ!!――――」 叫ぶリシュリュー! こんな理不尽なことがあっていいはずがない! という叫びだ! 「そこまで言うのなら、明日にでも御領主の同意を得られて来るとよかろう。もちろん許可が簡単に出るとはとうてい思えませんが」 平気な顔して言い放つ黒騎士長。 側にいるツス家側の兵士達も黙っている。すべて事情を知っていて黙っている。 しかし言えない…… 自分のために……家族の安全のために…… くるりと黒騎士長は振り向いて開いていた城門の中に入っていった…… リシュリューの叫び声を聞きながら…… 開いていた城門がゆっくりと閉じはじめる…… 閉じてしまえばもう今日は中に入ることは無理だ。 閉じた扉………… 閉じた扉を合わせると黒い色の蜂の紋章が大きく威厳を持つようにくっきりと浮かんでいた。 まるであざ笑うように…… リシュリューの悲痛な叫びはしばらく続いていた…… |
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