その頃…… 

 ――つ……疲れた……

 椅子に座って考え込むルビア。
 正直な気持ち、お守りをするだけでも大変なポポの世話。
 今やそれに加えて下の世話までやっている……

 あの後、何くわぬ顔でクリティーナとジトに会い、何食わぬ顔で、自分の部屋にいる。殿下は疲れたといってお休み中。いつもなら勉強の時間でもあるのだが、今日は事件のためにそれどころではない。正直殿下には、このまま部屋に閉じこもってほしいのが、本音。

 ――う〜ん……どんどん……はまっていっている……

 自分でもわかる。何かに仕組まれたように身体が殿下のペニスに……いや、快楽のいいなりになっているのだ。それが何かはわからない。

 こういう時には……ルビアは……

「とりあえず……何か飲もう……」
 疲れたときには砂糖いっぱいのコーヒーだ。しかしその砂糖には、たっぷりと淫乱になる媚薬が……

 そんなことも露知らずにどんどん砂糖を入れるルビア。
 まるで砂糖の中の薬がさらに薬を呼ぶように……

 冷静になれといっても慣れるものではない。一国の皇太子とエッチしていますという意味は非常に大きい。ポポの方は気持ちいいだけかもしれないが。考え込むルビア。正直事件の方が大事だ。財宝を盗まれたのだから。しかし今のルビアはそれどころではない。

 ――ああ……う〜ん……

 悩む人妻女軍人。軍服で悩む姿も悩ましい。
 なんで、抵抗できないのかもわからない。殿下は嫌いではない。だからエッチしていいというわけではない。しかし身体をちょっと触られただけで、とたんにルビアの身体は敏感に反応して抵抗が消えてしまう。

 と、考えていると……

「失礼します」
 クリティーナだ。
「ど……どうぞ」
 力なく答えるルビア。クリティーナ少尉が入ってきた。
「大丈夫ですか?」
 椅子に座ってぐったりとしているルビアを見て言う。
「ええ、ちょっと疲れただけよ」
「……殿下のお守りは大変ですよね」
 気遣う少尉。しかし気遣ってもらうと余計に複雑だ。何も言わないルビア。

「なに? 進展があったの?」
「……いえ……事件の方は、私達はかかわらなくてよいということです」
「そう……」
 財宝を盗まれたことは、あっという間に広がっていた。本当は止めておきたいのだが、そうもいかなくなったのだろう。どのみち、王家にとって、恥には違いない。だが、ルビアは正直それどころではない。 またもや、ポポと次のセックスの約束までしてしまったのだ。どんどん逃げられなくなるルビア准左。身体はポポの愛撫に身を焦がすようになっていく……



「お、おいおい……」

 ゆっくりとアイリーンが服を脱ぎ出した。ゆっくりと下半身の鎧をつけたまま、
 赤いショーツを脱いでいく。

 ミニスカートのような下半身からスッと現れる赤いショーツ……

 不適に笑う娘。しかしいい娘だ。小生意気なところがまたいい。すると面白そうと思ったのか、別の女たちも同じようにショーツを脱ぎ始めた者がいる。全員赤いショーツだ。
 いや、一部の少女タイプだけはピンク色のものである。

 いや、そんな細かいことはどうでもいい。

 みなでこの男達をからかってやろうというのか?

「うふふ……あんたさあ〜わたしと一度したいっていってたじゃん。でもわたしはしたくはないのよね〜だからこれででがまんしなさい」
「あ? なんだと……」
 痺れている身体を無理に起き上がらせようとするが、到底無理だ。もがくリーダーのオトコをゆっくりと見つめる盗賊娘のリーダー。

「ほらほら、ここが私の大事なところよ」
 ぱっくりと開いたふともものつけねを見せ付けるアイリーン。しかし肝心のあそこがキュロットのような衣装と鎧が邪魔をして見えない。
 しかし、他の男達は必死に見ている。うまくすれば角度的に見えるかもしれないからだ。

 ああ、悲しきかな。こんな時にでも必死で見るというのが欲望である。
 いやらしい目だけがキョロキョロと挙動不審のように動いている。
 冷静なのはダグとこのリーダーのオトコだけ。

「お、おまえなあ〜」
 倒れこんだまま、ふざけるなといいたい男。しかし動かない身体はいうことを聞いてくれない。見えそうで見えないように、うまく隠してエッチダンスを踊るアイリーン。お尻丸出しまで見せるが、しっかりとあそこだけは見えないようにしている。

 それがまた憎らしいものだ。

「うふふ〜たまらない?」
 いい女だ、ちょっとした気の強さがまたいい。エロチックなダンスに酔いしれていくアイリーン。
 目まで男を誘うように……

 すると次はおっぱいをポロリ。ピンク色をしたかわいい乳首も一緒にあらわれる。うっとりした目で視線を送る盗賊娘のリーダー。それに合わせて他のメンバーも似たようなことを始めた。
 そして母乳を搾るように胸を掴む。

「くっ……こ、この……」
 うつぶせのまま、必死に睨みつける盗賊リーダーの男。ダグはばかばかしくなったのか目をつぶっている。
「ぼ、母乳は出ないんですか?」
 妙な事を聞く盗賊の男の一人。もうアイリーンのこのエロスのしぐさにあそこが勃起してきたらしい。
「ば、馬鹿やろうが! そんなこと聞くな!」
 一緒に網に絡まれて、横にいる男を動かないまま怒鳴りつけるリーダーの男。

「あはははっ!――まだ出ないねえ〜」
 いきなり母乳と言われてちょっと驚くアイリーン。
「男って母乳が好きなのね〜」
 別の盗賊娘もおっぱいを見せながら聞いてきた。
「まったく……いつまでたってもネンネなんだからさあ〜」
 ちょっと母性本能をくすぐられたのか、にこっと笑うアイリーン。踊っていない娘達は、宝物箱で財宝のチェックをしている。

「きゃあっ! この衣装ほしかったのよ!」
 どうやら衣装も入っていたようだ。アクセサリーに金貨に衣装……
「あ、これかわいい〜」
 どうやらお気に入りのアクセサリーを見つけたようだ。もう自分達の物にとっくになっている。

「き、きさまら! それは俺たちがなあ!!――――」
 痺れた身体をわずかに動かしながら叫ぶリーダーの男。

 むなしい……

「何言ってんだよ、エッチなダンス見たお代としてしっかりいただいていくよ」
「ふ、ふざけるな! 高すぎるわ!――」
 確かにエロダンス代であの財宝の山と宝箱を取られるのはいくらなんでも高すぎる。

「おお、よしよし、じゃああんただけにはもうちょっとサービスしてやるよ」
 と言って、リーダーの男の前で両脚を広げて立つ。そして下から見上げるようにしている盗賊リーダーの顔の前に……

 かがみこむようにして……

「こ、こらこら!――」
 驚くリーダーの男。しかし、しっかりとあそこは手でガードされているが。
「うふふ、手をどけてあげるよ」
 ゆっくりとアイリーンが手を離す……

 ぱっくりとあそこが丸見えになる……ただし、この男だけしか見えないが。

「くっ……」
 目をそらすリーダーの男。
「どうしたの? グリン、見ないの?」
 アイリーンがうっすらと笑みを受かべた。見ようとしないグリンというリーダーの男。
「や、やめろ……」
 どうも何かコンプレックスでもあるようだ。こういうことをされたくないのだろうか?

「うふ、じゃあ〜ね〜他の男にでもじっくりと見てもらおうかな?」
 ちょっとかわいらしい声で言うアイリーン。
「や、やめろ!」
「やめろ? そういうことは私が決めるんだけど」
「…………」
 グリンは黙っている。どうやらこの女盗賊のリーダーにはこういうことをしてほしくないようだ。
 じっと見ているアイリーン。グリンの表情を楽しんでいる。

「ふふ、わかったわよ」
 と言ってサッと股を閉じてしまった。しかし他の男にとっては……

 せっかくのチャンスを……

「お姉さま、準備できましたよ〜」
 滑車の中身を確認して、持ち去っていく準備が終わったらしい。後はずらかるだけだ。
「よし、行こうか」
「ま、待て! 貴様ら! それを返せ!――」
 むなしいグリンの声が響く。
「そうねえ〜全部持っていったらかわいそうだから」
 と言って宝物箱から金貨を三枚だけ取り出す。

「ほい!」
 グリンの前に三枚の金貨が投げ出された。
「……なっ?」
 

 たった三枚……



「後は私たちのエッチダンスと私のあそこ代だよ」
「……お、お前……」
 あそこ代というのも面白い言いかただ。
「おっぱいもみせてやったじゃん」
 それでも高すぎるお代だ。もっとも現代の裏の世界じゃビール一本数万円というのもあるらしいが。

「あの馬鹿女に言っておきな。いずれ決着つけてやるってね」
 美しきふとももをしっかりと見せ付けるようにして、アイリーンとその仲間達が去っていく。
「ま、待てよ! 戻る気はないのか?」
 なんか説得しようとしているようだ。
「……馬鹿だねあんた……戻るわけないだろう? なんでこっちから出て行ったのか考えな」
 少しムッとして言うアイリーン。
「行きましょう、お姉さま」
「ええ……よ〜し! しばらくはこれで遊び放題だあ〜」
 笑いながら滑車を引いていく盗賊娘たち。もちろん来た方向に戻っている。男たちが向かう方向と逆に行っているのだ。

「ば……ばかや……ろう」
 ダグの悔しい気持ちのこもったセリフ。まったく動けなくなったダグとその男たち……

 洞窟の中は甲高い笑い声が絶え間なく響いていった……
後ろ ルビアトップ