「ぐああああっ!――」
 脚を無理やり広げられる……その女騎士の名はマレイアス。
「いい格好ね、お后さま、たっぷり入れてあげるわ」
 浣腸液を満たした注射器をグリグリとあてるミシェルン。浣腸液に妬みと嫉妬が交錯する。

「サルンのお后になるには、まずは腹の中、すっきりさせてあげないとね」
 勝手な言い分でマレイアスを責めるミシェルン。思い存分いたぶるつもりだ。
「や、やりたきゃやれ!――」
 もうどうでもいいといった感じのマレイアス。汗がまた出てきた。サルンに焦らされたあと、狂ったようにイカされた。さらに今度は浣腸責めだ。

「ええ、たっぷりとしてあげるわよ! 苦しみなさい!」
 構ってもらえない憎しみが、ためらいもなく、お尻に突き刺さる!
「ぐはっ!――」
 ぶち込まれた液……みるみる入っていく液体。あっという間に苦しむ女騎士。

「栓しな、この馬鹿女の穴に」
「は、はい……」
 ちょっとびびっているインリ。楽しんで遊ぶというより、怖い雰囲気がミシェルンから出ているからだ。
 インリとしては、こういう雰囲気はあまり好きじゃない。多少、じゃれあう遊び心が好きなインリ。

「おら、出してみろよ!――」
 どこの姉御の言い方だ。よつんばい、バック体制の顔を足で踏みつける。

「う……ぐぐっ……」
 苦しむマレイアス。しかし耐えている。
「お后さま、出したいなら、栓を抜いてくださいって言ってみな」
 笑うミシェルン。まるで復讐のように。
「だ、出させてください」
「あはははっ! いいわよ、お后さま、またすぐに入れるけどね!」
 と言って栓を抜いた瞬間、おなかにパンチを浴びせる。その反動で無理やり排泄した!

「はあああああっ!――」
 怖くなるインリ。こんなミシェルン姉さんは初めてだったのだ。
 ゼエゼエ息をするマレイアス。相当疲れているはずだ。

 とうとう倒れこんだ。

「つまらないわね、ちょっとアレ持ってきて!」
 あごで仲間に命令する! 鞭だ。
「あ、あのミシェルン、それはちょっと……」
 傷つけるなという命令に反する。ところが、ミシェルンはいきなり鞭を入れ始めた!

「うあっ!―― はああっ!――」
 あざを作る身体……

「おら! 声出してみろ! おら!」
 完全に嫉妬心のかたまりだ。
「や、やばいよ」
 みなが動揺し始めた。普段見ないミシェルンの姿。とうとう、制止を始めた!

「なっ? どけ!」
「ミシェルン、やめて!」
「お姉さま、駄目ですよ」
 このままだと殺しかねないと判断した、仲間達。勝手にそういうことすれば、自分達がサルンに殺される。

「離せ! 離せってば!――」
 楽しい遊びは一瞬にして、壮絶になる。こうなるともう手がつけられない。
 マレイアスの体力は限界だ。これ以上は死にかかわる。あざが痛々しい。そのままミシェルンは制止させられた。危ないと悟った仲間達。

「休んでな」
 そう言ってマレイアス一人残してみな出て行く。言われなくてもマレイアスは眠っていった……
 浣腸させられたということさえ考える事もできずに……


「むはっ!――」
 膣に無数の触手が潜り込んだ。小さなペニス状になって、長身のランカを狂わせていく。

 その様子はまったく見ずに、サルンはラゼをにらみつけていた。

「もう一度言う、謝るんだ、あの行為を!」
「嫌よ! 何を馬鹿なこと言ってるの! おかしいのはあなたじゃない!」
 ラゼの必死の抵抗が続く。サルンもちょっとだけ戸惑っているようだ。さすがに自分の弟の婚約者は襲えないのだろうか?

「気に入らない行為を許すわけには……ん?」
 サルンが部屋の外に耳を傾けた。

「離せ! あの女! 殺してやる!」
「駄目です、殺したらだめって!」
 インリたちが必死にミシェルンを抑えている。もう気が立っているミシェルン。どうしても女騎士が気に入られているのが、嫌らしい。

「どうした?」
 サルンが部屋を出てきた。険しい顔つきで。それに一瞬寒気を覚えるダークエルフ娘たち。
「サルン、あの女のどこがいいのよ!」
 取り乱しているミシェルン。嫉妬心のかたまりが、サルンに訴える。
「……全部さ」
 さらりと答えた。まったく相手の気持ちも汲もうとしない。
 まあ、それどころではないのかもしれないが。

「まさか……マレイアスに何かしてないだろうな?」
 サッと他の娘達をにらむサルン。
「大丈夫……止めたから」
「止めた? 何を?」
「む、鞭で打ったの……」
「なんだと!」
 怒る少年。鞭で打てば身体が傷つく。サッと今度はミシェルンを見る。
「君がやったのか?」
「そう……よ」
 その瞬間だった!

 バチンッ!――

 にぶい音がした。平手打ちを食らわせたのだ。
「誰が、傷をつけていいと言った。性行為以外はやめろと言ってたはずだ」
 サルンは、凌辱はするが、残虐な行為や、傷つけることはきらう。そうする場合は、さっさと殺すというわけだ。まして、お気に入りの后にする予定にそんなことされたら……

「……ミシェルン、君もくるんだ。後は休んで……ぐはっ!――」
 いきなり背中を切られた! 

 だが、サッと身体を回転させ、急所は逃れる!

 やったのは……もちろん……ラゼ。
 よろけながらもさらに攻撃を続けようとしている。

「ラ、ラゼ……」
 この行為にさらに切れる少年。

 ――お、おのれ……


「し、失望したよ。君には」
 構えているロゼに対し、言う。
「今のも卑怯だとでもいうの? あなたがやっていることに比べたらかわいいものよ」
「……そう……かい」
 切り替えたサルン。


 とうとう切り替えた……身勝手なのはもちろんサルンなのだが。

「離れてろ」
 仲間の娘達に命令する。サッと離れる娘達。サルンの表情に寒気を覚えたのだ。
「もう、容赦はしない!――」
「裁きを受けなさい! サルン!」
 対して、気丈に向かっていく戦乙女、持っている剣に力を宿し、切りかかった!



 ガキイイイイッ!!――――

 その剣を手でつかんだサルン……手からは血がにじんでいる。素手で取ったのだ。

 おそらくわざと素手で……

 その気迫に一瞬と惑うラゼ。

「たっぷり犯してやる、たっぷりとね」
 そのまま顔を、弟の婚約者に近づけていく……だが、それでもラゼは引かない。絶対に勝てない状況でも引かない戦乙女。

 サルンが本気で襲いかかった!

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