――な……なんとか……みえる……か……

 馬にもうまかせて走らせている。なんとなくだが先に見えるのはアウグス家の馬車だ。
 目ではっきりとは確認できない、しかし確かに小さな点のようなものが見える。

 一方……

「おい、追ってきてるぞ」
「……どうする?」
 馬車を暴走させるように走らせている従者。それの横に十人ぐらいの黒服の男達も寄り添うように馬で側を走っている。リリスたちはどうなっているのだろう……


 いた!




 案の定……眠らされているようだ。馬車の中で倒れるように眠っている。




「このまま後をつかれたら困る」
「わかった、まかせろ」
 

 一人が馬の方向を変える!

 リシュリューに向かっていく!

 


 そして網つきの分銅を投げた!




「うわあああっ!――――」
 忍者の小道具のようにリシュリューを一瞬にして囲みがんじがらめにする。

 


 ドサッ!!――――

 馬から落ちて転げ回るリシュリュー!目がまだ良く見えないので見分けがつかなかったのだ。
 


 馬が止まった……主人がいなくなりとまってしまった馬。

 乗っていた男の側に来る……寄り添うように。

 

 網仕掛けを投げた男はそのまま逃げていった……

 

 ――くそおおおおっ! なんてことだ!!


 悔しがるリシュリュー、しかし絡まった網はなかなか取れない……
 目潰しの次は網、周到に用意されている証拠だ。


 ――うおおおおっ! ちくしょうううっ!

 悔しい気持ちでいっぱいのリシュリュー、しかしこれが現実だった……



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