着替え場

ミクがタオルで火照ったミセルバの身体を拭いている。幸せそうな表情だ。ミセルバも同じだろう。が……。

 そういえば……メイド達に、さとられた。

 当たり前よね。

その瞬間、理性が回復したらしい。この後の事が不安材料となって湧き出てきたのだ。ミクと私……もうメイド達に知られたことは周知の事実だ、それは別にいい。私はそれでも。

 だけど……。

「ミク」
「はい?」
 ミセルバの身体に未だにうっとり見とれながらミクは答える。まだ現実から目が覚めないようだ・・・まあそれも仕方ない。先ほどの体験は、あまりにも衝撃的だったから。
「ミク、あなたこれからどうするの?」
「え?」
ミクは不思議そうな顔をして聞く。
「ミク、私はあなたが心配なのよ」
 ミクはしばらくミセルバの瞳をじっと見てにこっと笑った。
「あっ、あのねミク、よく聞いてちょうだい。私とこのような関係になってしまった事が、
一緒にいたメイド達に、その……見られたのよ」
 とたんに顔に赤みが増すミセルバ。
「あ、それはですね大丈夫ですよ」
 意外な言葉に驚くミセルバ。
「大丈夫?どうしてそう言い切れるの?」
「だってこれは……」と言いかけてミクの言葉が止まる。
 だってこれはリリスお姉さまが……とあやうく言いそうになったのだ。ミクはとっさに、
「み、みなさんっていうか、その……他の方にもそういう関係の人多いですから」
 今までずっとミセルバを見つめていたミクは悟られまいとして下を向きながら言った。その行為はミセルバにとっては、変な勘ぐりをする事を辞めさせるきっかけになる。誰だってそういう事を正面きってどうどうと言う人は少ない。

 まあ……確かにそういう関係を持っている人はいるだろう。メイド一人一人のプライベートな事までいちいち気にしてたら、城の主は勤められない。だが、ミセルバはミクがこのままで済むとは思えないと感じていた。
 よくある話、男と女で言えば、身分の違うものが特別な仲になれば、妬みや嫉妬は必ず起きるものだ
そしてそれはいじめに直結する。もちろんミセルバの見えないところで・・と考えるのは当然でもある。
 ミクは一通り身体を拭き終ると、ミセルバのローブとショーツを横にあった籠から取り出す。そしてミセルバの正面に正座をして、ショーツをはかせ始めた。それから後ろへ回りローブをかける。
 袖に手を通しながら、ミセルバは今後のことを考えていた。

 どうしよう……私は立場的になんとでもなる。その気になれば口封じもたやすい。

 だがこういう事は必ずばれる、ばれれば結果的に、ミクはつらいめに……あ、あんっ。

 左の胸のつぼみの部分に甘い疼きが走った。ミクがつまんだり左右に撫でたりしているのだ。どうやらローブの胸元の紐を結ぶ時に、触り始めたらしい。ここをすぐにでも出てこれからの事を考えようとした矢先である。ミクは右の乳首も人差し指と中指で挟み、転がし始めた。
 
――あっ、ちょっと……。

 ダブルで来る疼きは普通ならそんなには感じないだろう。しかし媚薬を丁寧にたっぷりと塗りこまれた身体にはたまらない刺激である。ましてミクの指によって女同士の喜びを下の穴に教え込まれたのだ。我慢しろと言う方が間違いだ。

 ミクは攻める喜びを覚えたのだろうか?

 いや、攻めるというより、気持ちよくしてあげたい、ミセルバ様の望むことなら何でもしてあげたい、という気持ちになっていた。ミクには相手を嬲るという気持ちはさらさらないのだ。しかしミセルバはミクに攻められている、快楽を与えられ辱められているという気持ちもある。だが今までのミクを見て来ているミセルバにはそういう邪悪な意志はないだろうと思った。
 私のはしたない欲望を満たしてくれている……と、とったのだ。ミクもミセルバのためにと思ってその事で頭がいっぱいなのである。だがこんなことをずっとしているわけには行かない。はやく戻らないと。

 ――はあ〜ミク、はやく…はやく戻らないと、他の者が……。
 だがミクはそれどころではないようである。

 ミセルバ様が、感じてらっしゃる。

 リリスお姉さまは嫌がらなければ望むことはなんでもしてあげなさい、それが御領主様のためになるって言ってた。

 ――うん……ミセルバ様のために、あたし。

 ミクは両胸を正面から手でゆっくりと揉み始めた。それにあわせるかのようにミセルバの身体全体がいやらしく動く。顔を右や左に向けたり唇を噛んだり……時には舌を軽く唇から露出させる。
そのような事をすればするほど、興奮は高まる。ミクがショーツをまた脱がしにかかる。ミセルバはもう抗う事は不可能になっていた。
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