地下牢2


 メイド長の部屋に二人が来ると、そこにリリスとミクその他二人のメイドがいる。ミセルバは経緯を聞いた。どうやら大掃除をしていたら発見したらしい。本棚を動かしてみたらこの妙な入り口があるというわけだ。

  ――忘れてた。 この場所を知っているのは、父上と私と、前のメイド長だけ。

 ミセルバは壁に手を触れてみる。ん?これが鍵穴かしら?

「ミク、私の寝室から鍵の小箱があるでしょう?それを持ってきて頂戴」
「あ、はい……でもそれは寝室から出してはいけないと」
「ふふ、私が良いっていってるのよ」
「あ、はい」

 キッとレイカがミクを睨む。

 ったく……それくらい言われないでも気づきなさい!

 っていうような顔だ。おそらく後でまた小言を言われるのだろう。

 やれやれ……ミクはもう。

 リリスも心の中でクスクスとつぶやいた。しばらくして鍵の小箱をミクが持って来た。
ミセルバがそれから一つを選んで、鍵穴に差し込む。

と、ギギ、ギギっと壁が動き出した。まあよくある仕掛けだが。
「さあ行きましょう、あ、それとなにか清掃する道具も持って行きましょう」

「はい」

 御領主とメイド達の探検のちょっとした始まり始まりである。
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