地下牢3


 ミセルバ達は、奥に奥に向かっていく。通路の広さは十分だ。ただほこりがすごい。歩くたびに舞う。

 ――ふ〜んこうなっているのね。

 ミセルバはどんどん進んでいく。ミクは物珍しそうに見ている。すべてが初体験だ。リリスもさすがに驚きを隠せない。
 扉がある。さっき使った鍵をもう一度ここで使う。

 ――カチャ。

 開いた。ちょっとした冒険気分のようなものだ。
「やっぱり」
 ミセルバがつぶやく。扉を開いた奥には、大きな部屋が広がっていた。ここは地下牢呼ばれている場所だ。といっても牢ではない。敵が攻めてきた時に逃げ込む部屋、隠れる部屋なのだ。しかし歴代の御領主は別の事でも使っていた。

 ――そう……メイドを夜な夜な連れ込んで……というわけだ。まあ男の考えそうなことである。
 まわりにはなにやらいろいろなモノが置いてある。鎧、甲、剣、槍等。妖しそうなモノもある。ムチや拷問道具らしきものまで。

「わあ、すごいですね」
 ミクがつぶやく。
「ええ、すっかり忘れてたわ。父上が亡くなってから確かめるつもりだったのだけど」
「このような仕掛けになっていたとは知りませんでした」
「ふふ、レイカでも知らないことはあるものよ」
 ミセルバが微笑む。
「悪いけど掃除をお願い。終わったら教えて頂戴」
「はい」
 とそのままミセルバは反対の扉に向かった。なるほど、そこからミセルバの寝室に行くことが出来るらしい。
「それとこれは他言無用でお願いね。
 本来、これを知る者はメイド長と騎士帝長、その他限られた人間だけが知ってる事じゃないと意味ないから」
「わかりました」
 ミクが答える。ミセルバはニッコリとミクに微笑んだ。そして確認のために自分の寝室へ向かっていった
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