「あ、あの……こ、ここでですか?」
 半分驚くロット。
「だってこんなになって……ロット様のここがかわいそう」
 大きくした主な原因はリリスのせいなのだが。

「あっ、いえ……しかしですね。あ、あっ」
 もうペニスを咥えているリリス。最初から無駄な抵抗だったのかもしれない。グングン大きくなる。もう止まらない。いや止まらせないリリスの唇。

 ――うあっ、ああっ!――

 完全にロットは術に嵌ってしまった。しかし……いつもながら。

 
 ――うまい――


 咥え方も的を得ている。吸い付き方も最高だ。経験豊富な男を知り尽くしている唇。この少年には、経験が少ないこの少年には荷が重い。少しだけまだ理性がある。こんな場所でこんなことしていいのだろうかと。部屋の鍵はもちろん閉まっている。リリスに抜かりはない。休憩時間はおよそ30分。

 あっ、ええ?

 指を、入れられた。

 この瞬間残っていた理性も吹き飛んだ。

 ――おしり……おしりが。

 服のすきまから巧みに手を、指を入れていく。穴を中指でゆっくりと掻き回されるそして、開いている手がロットの胸に迫る。大きく開いているV字型の襟の間から手を深く進入させ乳首へと達した。

 コロコロコロ――

 乳首が転がされる。

 ああっ、いい、きもちい……いいい。

 ペニス、乳首、穴、三点攻めがロットの身体に快楽となって迫っていく。

 だっ、駄目だ、くる。きちゃう……よ。

 絶頂が……

 もちろんリリスは満たさせる気はさらさらない。


 チュパ!――

 音を立てて唇をおいしそうなペニスから離した。

 あっ――

 ロットが気づく。もちろん今からされることはわかっているらしい。この前すでにたっぷりと経験済みなのだから。でも時間が、時間はそれを許さない。

「ふふ、たっぷり楽しんでくださいね」
「あっ、あの、うれしけどじ、じか……」
 
 ん、んんっ――

 モノが言えなくなった。

 ――ふふ、駄目よ。ロット様――

 唇をゆっくり離すリリス。

 目が言っている。今からたっぷり苦しめてあげると。

「あ、あのっ、んっ、んん」
 また唇が奪われる。そのままペニスへの攻撃が再開された。手でしごかれるぺニス。一瞬たりともペニスに刺激を与えない事はない。巧みに指を動かし、常に快楽の追求をさせる。

 唾液でねっとりとした唇をはずすリリス。じっと切ない顔でロットを見る。

 ああっ、リ、リリスさん――ハアハア……いいっ、きもちいい……でも、だ、だめだよ。

 タイミングを逃さないリリス。寸前で止めるテクニックもバッチリだ。

 ふふふ……かわいい、もっと……してあげるわ。

 困ったのはロットのほう。もうすぐ楽神の間へ戻らないといけないのに。もちろんリリスはその事も良く知っている。明らかにわざとやっているのだ。

 ――リ、リリスさん、す……すご、すぎ。

 見つめながらリリスは巧みにまた手を動かす。生殺し状態を永遠続けるかのように……不適に笑みをこぼすリリス。まさに悪魔のエロスの微笑みだ。

 ロットは逆らえない……悪魔に魅入られたペニスはもはや抵抗と言う言葉は似合わないのだ。

 ――うああっ!ど、どうかなる――

 ピタッと悪魔の手先の両手が意地悪のように止まる。そしてゆっくりと亀頭をいじりながら再開される上下運動。ビクビクと動くペニス、その先の絶頂が来なくて悶えているかのようだ。

 リリスはじっと見つめている。ロットを。ロットも魅入られたようにリリスを見つめている。何かが二人の間を突き抜ける。静寂の時間……。

 ――と、その時。

 カンカンカン、カンカン――

 鐘の音だ。もうすぐ第二楽章が始まるという合図である。

 ――あっ、どうしよう。

「あ、鐘の音ですね」
 リリスが言う。
「う、うん」
「じゃあこれで」
 スッとペニスを離すリリス。さも何事もなかったかのように振る舞い始めた。

 ええっ、そ、そんな。ちょっと……。

 こんないきり立ったままで、どうしてくれるんだとでもいわんばかりのペニス。責任とってようとでも言ってるかのようだ。

「あ、あの……リ、リリスさん、こ、これじゃあ……」
「ロット様、時間が」
 確かに時間は迫っている……しかし、その時間を使って苦しめているのは誰だと言いたい。外でざわざわ音がする。楽団の人たちが楽神の間へ向かっている音だ。自分も戻らなければ。その時リリスの唇がロットの耳元に近づいた。

「今晩、会いに来てもよろしいですか?」
「え?あっ、う……うん」
「うれしいです」
 唇を重ね、舌を軽く入れる。

「伺いますわ、ロット様」
 悩ましい表情で、ロットを見るリリス。軽く一礼して、リリスは去っていく。

 ――はあ〜まいったよなあ〜

 術中に嵌り始めているのはロットもわかってはいる。しかしペニスは嵌りなさいと命令する。もはやロットの意思はペニスの欲望には勝てない所まで来ていたのだった。



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