ミルミがレリという子を部屋から連れ出した頃……

 こちらでは、メイド長と一人の騎士が激しい愛撫を交わしている……

「はあっ! いいいっ!――」
「くう! 久しぶりだ、この感触……」
 抱かれているのは、レイカ。久しぶりの30過ぎの女の登場である。バックからの激しい突きであえいでいるレイカ。しかし、ガッツは中央に行っているはず……

 ん?……

 こ、この男……

 

 あの黒騎士の男ではないか!



「おお、いいぜ! うまくなったじゃないかよ」
 レイカの腰の動きに満足している。自分も自然とレイカに合わせて快感をむさぼっている。ぴたっとくっついている両方の腰は、わいせつな音を立てながらも、リズミカルに動く。
「あはっ! だ、だめえええっ!――」
 イッたようだ……

 ――はあはあ〜 

 軽く汗を垂らしながら、メイド長はぐったりと腰を落す。黒騎士の男も射精をして放出した。ベッドでスッと横になるレイカ。

 なぜ……この男に……

「さ〜て、馬車の何が聞きたいんだ?」
「……何があったのか教えて」
 レイカは寝たまま、ラブロック騎士長に尋ねた。ここは、遊戯宿の一つ。不倫、認められない愛、フェチを楽しむようなところ。
 裸のラブロック。今日は私服で偶然、レイカと合ってここに……

 いや、わざとレイカが……


「だから天高く昇っていったんだよ」
「ちゃかさないで」
 真剣なレイカ。
「言わなくてもわかっているだろ……そういうことだ」
「……じゃあ、やっぱり」
「ああ、やったらしいぜ……片方だけだがな」
 はっきりと言うラブロック。実はこの男も参加していたのだが。それは黙っているらしい。
 年は35過ぎぐらいか、ガッツよりは若いようだ。
「リリスだけなのね? で、誰の指示?」
「……聞くな、もうわかるだろ、というか俺に聞くこと事態、疑う人物は一つだ」
「……そう……やっぱり」
 予感は的中していた。わかっていたことだったけど、確かめたかったのだろうか? 

 

 そのためにわざわざ抱かれたのか?



「お前、いい女になったな」
「え?」
 考え事をしていたレイカがちょっと目を向ける。
「部下の心配するタイプとは思わなかったぜ、それにリリスってお前嫌っていなかったっけ?」
 言われてちょっと困るレイカ。確かに嫌ってはいた。うまいこと考えて追い出そうとも考えたこともあった。しかし、これは全く別だ。

 

 女としては許せない方法だから。


「ガッツから鞍替えするつもりはないのか?」
「なに言ってるのよ」
 どうやら過去にいろいろあったようだ。
「……そんなつもりじゃないって言ったでしょ」
 さっとそういう話はかわすレイカ。
「まあ、俺に聞くのはかまわんが……他の者には聞くなよ。へたにリリパット卿の耳に入ったら……
おっとと!」
 思わず出てきたリリパットという言葉。酔っているせいもあったらしい。あわてて声を引っ込める。

「……言われなくてもわかってる」
 びっくりもしないレイカ。もうわかっていたことだからか?
「まあ、気持ちはわかるけどな」
 自分の部下がどうこうされたのだ。やっぱり気になるレイカ。自業自得といえばそれまでであるが。
 
 だが、ミクは別だ。

「じゃあ、ミクの方はなにも……」
「ああ、安心しろそっちは大丈夫だ」
 つっけんどんの言い方で言うラブロック。もうその話はいいよという気持ちだ。
 自分もあの宴に参加していた。あまり突っ込まれたくないのだろう。もちろんレイカは参加していたことは知らない。
「そう……」
 レイカとしてはミクも巻き込まれたのは悲しいことだった。幸い……身体は汚されなかったが。
 心は非常に傷ついたはずだ。
「おい……」
 ラブロックが言い寄ってくる。また抱きたいのだろう。
「もういいわよ、あっ!……」
 強引に抱き込まれる。ガッツと同じぐらいがっしりしている身体だ。この身体に抱きつかれたら逃げられない。レイカはまた快楽攻めにはまっていった。



「どうして来ないの!」
 怒っているミルミ。今日は、男性的なスーツのような服でびしっと決めている。こういうのも似合う女性だ。医学博士にふさわしい格好である。


 オナニーは変態的だが。

「ごめんさいね〜」
 なんか怒られているって雰囲気じゃない娘さんだ。ぽや〜っとしている。
「ちゃんと言ったじゃjない、実験の経過報告がほしいから来るようにって〜」
 なるほど経過観察していたらしい。、ところが当のレリは、まったく気にも留めていなかった。
「言われた期間に診てないとデータ取れないのよ〜」
「ふあ〜い」
 駄目だ、この手の娘には通用しない。
「もう……え〜とここで聞き取り調査をします、いいわね?」
 念を押すミルミ。気持ちよかったところで、いきなり今度は聞き取り調査である。
 別室に移ったとはいえ、このアイラの遊戯宿で聞き取り調査とは……
「ふあ〜い」

「ふぁ〜いじゃない!」
「ふぁ〜い」
 やっぱり駄目である。

 それでもミルミは調査を開始した。
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