「きゃああああああっ!――」
 いきなりメイドのスカートを思いっきりめくる!

「おお、真っ白じゃん」
 にっこり微笑むポポ。いつも城でやっていることが始まった。
「で、殿下! 困ります」
「何が困るの?」
 めくったまま、平気であどけない顔が聞いてくる。一瞬かわいいと感じるメイド。その隙を逃さない!

「え?……」
 一瞬下半身がスースする。

 ――あ……ちょ、ちょっと!

 なんとショーツを立ったままずりおろされた!

「うふふ、すごいすごい!」
 からかうポポ。

「で! 殿下ああああっ!――――」
 とうとう怒りだしたメイドさん。ここまでされたらそりゃ怒る。現代なら立派なセクハラだ。サッと逃げるポポ。面白くてたまらない。ここのメイドさんは防御能力がみな弱い。王城のメイドはある意味ポポ対策も取っているのだ。

 ――へへへっ

 暇つぶしにはちょうどいい遊びだ。殿下は今、たいくつの真っ最中。ルビアはいろいろ忙しく相手にもしてくれない。
 エッチもそうだが、ポポにとって、それ以上にルビアとは遊びたいという気持ちが強い。

 それが出来ないポポは、非常にストレスがたまっていた。



「まいったわ……」
 ため息のルビア。
「王妃様はなんと?」
 尋ねるビルバーン中尉。

「殿下を監査役として、同行させよとの仰せよ」
 命令書と手紙をもう一度見る。間違いなく王妃の署名もある。偽者であってほしいと願うルビア。
 命令書にはしっかりとポポを監査役に命ずるとある。しかし、王妃の手紙には、形式上の監査役でよいと書かれていた。
「やっぱり一緒にですか?」
 ジトがいる。大体の内容はもう知っていたジト。ビルバーン中尉たちとの挨拶も終わったらしい。
「いえ、監査役だから……ようは、ここにいて私達を監査させよということでしょう。といっても形式上でしょうけど」

 監査役とはこの場合、軍の監査役のことだ。普通はこういう細かいことは王族はわざわざ口を出さない。軍の上層部が決めることだ。だが、今回は王妃直々のご命令であった。
 

「連れて帰らなくてよいというわけですね」
「そういうこと、最悪だわ……」
 苦笑いのルビア。手紙には、試練を与えるという名目で、ポポを監査役の任につける。で、ポポをよろしくとの内容。ポポの監査役の命令とジトとクリティーナの正式な配属命令も書いてあった。

 ジトとクリティーナについては歓迎のルビア。しかし、ポポは……

「殿下の将来の勉強にもなりますし。良いのではないでしょうか?」
 ビルバーンが言う。
「勉強ねえ……」
 もう嫌気がさしてきたルビア。
 ビルバーンはまだポポのあの性格をよくわかっていない。

「とにかく邪魔だけはされないようにしないといけないわ」
 クリティーナがアドバイス。


 ――困ったわ。正直帰ってほしいのだけど。

 まさかポポがここにとどまるとは思ってもみなかったルビア。
 王妃のお墨付きを貰った以上、ポポは嫌でもここにとどまることになる。

 だが、身体はうれしいかもしれない。

「まあ、なるようにしかならないわ。早速みんなには動いてもらうから」
「はい」
 いよいよ本格的にルビア隊は動き出す。これからが本番である。
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