殿下が、悶々と夜を過ごした日から一週間後。ようやく最近落ち着いてきた殿下。メルティーナ姉上の顔もやっとまともに見れるようになった。あれから夜の探検には一度も行ってない。ラミレスもそのことには触れない。気を使っているのだろう。
 いつものようにお出かけする殿下御一行……。

 ――今日もラミレスのところかな。

 最近、よくお出かけするポポ。勉強が終わった後、自由な時間が出来るのだが、これといってすることがないのだ。というか、したくても出来ない。今までなら、メイドにいたずらしたりして、ラミレスと昼間からごにょごにょしていたのだが……。
 最近は一人でいられない時間が多くなった。どうも王妃(母上)の意向らしい。常に誰かが側にいる状態。こうも大人が警護とはいえ常に側にいられると何も出来ない。まあ確かに一国の皇太子の宿命だといえばそれで終わりだが。だが世間に出るときは貴族の道楽息子という身なりでお出かけしている。
 身分がばれない限りそう危険な目に会う可能性は少ない。
 逃げ出してもよいのだが……今までならいろいろな手を尽くして試みていただろう。だが、今は違う。気になる女性がいるからだ。その対象はもちろん……

 ルビア。

 以前なら特別なにも感じない女性のはずだったが、最近はもう……すっかり虜である。ルビアに対してだけはなんとなく気を使ってしまうポポ。そして毎日気にかけているいることがある。

 ――そう、媚薬の効きめだ。

 あれから一週間以上経つ。確かにイイモノ見せてもらった。が、あれからチャンスが来ない。それに殿下がご不満なことが一つある。特にルビアの表情やしぐさに普段はなんの変化もないからだ。いきなりエロチックになることはないだろうけど……媚薬が効いてます〜っていう効果が見えないのだ。

 ――ホントに効いてるのかな?

 ラミレスはすぐには効かないと言っていた。だが、もし効いたとしても表立ってどうなるのかは……わからない。ラミレスもわからないだろう。

 つまんない……でも気になる。最近は夜寝ているときに……なんとなくルビアの顔が出るときも。

 ――ふう〜なんでだろう?

「それにしても殿下は行くところが決まってるな」
「ふふ」
 ジト少尉にささやかれてにこっと笑うクリティーナ少尉。ルビアも含めてそれぞれ一般の貴族の警護兵のような軍服を身につけている。そうでないと王宮が抱えている軍人を、貴族の道楽息子が、側に置くことなど出来ないからだ。
「子供行くところってたいてい決まってるものよ」
「ほう〜んなものかね」
 今日はクライシス外交官がいない。なんか勉強会があるとからしい。クライシスは他国の外交官なので、必ず側にいるのが務めではない。その点は自由と言うわけだ。

「なあ、クライシスはなぜ殿下のお付なんだ?」
 歩きながらジトが不思議そうにクリティーナにたずねる。

「さあ〜私にもよくわからないわね、偉い人の考えていることは」
「…………」」
「気になるの?」
「まあね」
 前にいるルビアのお尻を見ながらジトが答える。

 しかし、いい女だな……

 どうやらルビアのお尻がお気に入りに入ったようだ。といっても他にたくさんいるお気に入りの一つだが

 ――いいお尻をしている……
 今まで見た女たちの中で5本の指に……あっ?

 ルビアとポポの前にスッと現れた男たちがいる。

 なんだ?――

 全身黒のマント姿のコスチューム……顔まで隠してある。

 ――?……

 その瞬間だった。数人の男たちは襲いかかって来たのだ。



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