ルビアは、男の懐に入り込んだ。
 そして剣を突き刺したのだ!

 だが……。

 ――くさりかたびら?――

 剣がはじかれる、服に貫通しただけだ。男の左手が張り手のようにルビアを襲う!

 ――グアッ!!――
 腕を頭の横につけて防御したルビア。だが反動がものすごく、身体の体制がぐらついた。
 次に大男は鉄球を振り回すための鎖でつながっている右手でルビアの胸ぐらをつかみ引きちぎったのだ!

 うわあ!!――

 ルビアの胸があらわになる。こういう状態で見るおっぱいも中々のモノだ。緊張感のせいだろうか?乳首が勃っているように見える。

 ――美しいおっぱい。

 おっと、鑑賞しているところではなかった。今、まさにルビアはおのれの危機なのだ。次に大男は腰の剣を抜き大きく振りかざす!
 だが、その時だ、殿下が勇敢にも短剣を男の足に突き刺したのだ。

 ――グアッ!!

 痛みが足に走る、足にはくさりかたびらはないらしい。
 しかし大男は冷静だった。逆にその足を振り上げ殿下を突き上げたのだ。

 「うわあああ!!」

 宙に浮く殿下。そのままポポは倒れこむ。

「殿下!!」
「この餓鬼!お前も殺してやる」
 大男が叫ぶ。黒服で顔まで覆われているのでなおさら迫力が増す。大男が先に殿下を亡き者しようとする。

「やめろ!手を出すな!」
 側にいた他の黒服の男が叫ぶ!
 そのため一瞬躊躇した大男。




 ――目をつぶれ!!――

 ――え?

 ――つぶれってばあ!――

 ――ボンッ!!――

 爆発音とともに、またもや煙があたりに充満する……

 ――その声!

 ラミレスさま?!!


 ――こっちだポポ、ルビア!!――

 突然現れたラミレスが煙玉のようなモノを投げつけたのだ!日頃いろいろ妙なモノを作って遊んでいるラミレス。ここで役に立った。
 ラミレスは二階のベランダから異変に気づいて飛び降りて来たのだ。

 ――こっち!こっち!

 迷わず納屋に案内するラミレス。
黒服たちはまさか自分たちが使った煙球のようなモノを相手が使ってくるとは思っていない。

 ――くっ、くそ!!

 黒服たちは目がしみて動けなくなった。自分たちが使った時は、対策していたがまさかと思ったのだろう。三人は屋敷のはずれの納屋に向かった。屋敷に正面きって入れるような状況ではない。
 まして扉は鉄球に破壊されて壊れている。
 ルビアは殿下の手を取ってラミレスの後を追った。



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