ポポが襲われて数時間経った。さすがにショックだたのだろう。ちょっと疲れている。ベッドでゆっくり寝転んでいるいるポポ。

 ――あ〜あなんか最悪の一日だよ。なんでこんな目に会うんだ?

 不機嫌なポポ。あれだけ怖い思いをしたというのもあるが、それ以上にラミレスの屋敷を壊された事が腹立たしい。

――あいつら何者だよ、なんで僕が皇太子ってわかったのかな?

 確かに不思議だ、皇太子殿下はかわいい少年という以外顔を知らないのなら分かるはずがない。ルビアたちもお忍びで殿下のお供をする時は王宮の軍人ですというような格好はしていない。

 ――ラミには悪いことしたな、屋敷もめちゃくちゃにされて。屋敷……どうなるのかな?

 危険だからとさっさとお城に戻されてしまったポポ殿下。ラミレスの今後のことが気になって仕方がない。でも今日は外出禁止。おかげで……ひま。外に出ることも今日はもう出来ないだろう。部屋の外には兵士が厳重に見張り中。窓の外からするりと降りて例の洞穴に行く気も今日はない。
 さすがに今消えたら本当に心配をかけるからだ。

 ――仕方ないなあ。
 ごそごそとベッドの下に潜り込む殿下。そこには数冊のエロマンガとたくさんのエロ小説があった。




「あまり気にしない方がいいと思います」
「ありがとう」
 にっこりとルビアがクリティーナに笑いかける。こっぴどくゼット少将に言われたルビア。確かにちょっとした傷を殿下は負った。しかしあの言い方はまるでなにもしていないかのような非難の仕方だった。
 
 ちょうどよい、ここで辛く当たってやろうという意図が見え見えだったのだ。
「全くです、あんな言い方はないよな」
 ジトも結構言われたらしい……あの嫌な顔を見ているとますます嫌になる。
「王妃様とは大違いだぜ」
「まあ、それ以上は言うな少尉」
 ルビアがちょっとジトに諭す。王妃はよくぞ守ってくれた。ゼット少将は何をやっているんだ!
 この差は大きい。まあ立場的には仕方がないのかもしれないが。
「今日はもう解散しよう、私は殿下に挨拶してから帰るつもりだ」
「あ、あの……准佐」
「なにか?」
 ルビアがジトに問いかける。
「後でちょっと話があるんだが……」
 ジトがちょっとルビアを見る。なにか言いたそうな顔だ。
「わかった、殿下に挨拶してから聞こうか」
 ルビアたちは殿下の部屋に向かって行った。


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