「ねえ〜」
 散々焦らされた後今度は徹底的にイカサれたミシェルン。
 女ダークエルフが、横でくつろいでいる美少年ダークエルフに言う。

「なんだ、もう疲れたよ」
「あの女、どうするのよ」
「……僕に考えがあるんだ」
 スッと起き上がるサルン。中腰になってミシェルンを見つめる。
「前のシスターの時は邪魔が入ったおかげで結局僕のモノに出来なかった、今度はそうはいかない」
「人間に復讐? あの女が代表なの?」
 ミシェルンが問いかける。
「そうだ、あの女はちょうどいい」
「それだけ?」
 怪訝そうなミシェルン。それだけではないでしょと言っている顔。

「それだけだよ、それに……ここのエルフの連中にも思い知らせてやる、あいつら人間と共存しようとしている。それを崩壊させてやるのさ」
 キッと女ダークエルフを睨むサルン。語気が強まる。

「怖い……でも、素敵」
 まだ狂うほどの余韻がすごいミシェルン。快楽の力でこの美少年は虜にしているのだ。
「他のダークエルフ族の連中にも思い知らせてやる」
「……追放されたの恨んでる?」
「フンッ!」
 追放? 何が追放だという顔をするサルン。

「間違っているのはあいつらの方だ! 僕は正しい!」
 睨む、ミシェルンを睨む、といってもミシェルンに怒りをぶつけているのではない。
「……サルン」
「他の王族にもわからせてやるさ、僕の方が正しいってね」
 やさしくキスを始めた。それを素直に受け入れるミシェルン。
「ミシェルン、君もあの女を調教してくれ」
「え?」
 ちょっとびっくりのミシェルン。サルンの意外な言葉。
「昼間は僕が徹底的に快楽を植えつけてやる、夜は君だ」
 と言ってまたキスをする。

「サルン……あの女気に入ったのね」
「人間の女の代表で犯してやる、あの女はいけにえだ!」
 叫ぶサルン。それをじっと見るマレイアス。
「きゃっ!」
 ミシェルンに覆いかぶさるサルン。
「また抱いてやる」
「うれしいわ」
 にっこり笑う二人。サルンのペニスがまた勃起を始めた。






 



 ――マレイアス……僕はどうすればいい。
 寝ているマレイアスをじっと見つめるセイキン。何も出来ない少年騎士。助ける事も出来なかった。  その悔しい思いが怒りと絶望に変わる。自分も女ダークエルフのおもちゃにされてしまった。

 ここはさっきの部屋だ。どうやらここでしばらく住むことになりそうな部屋である。時間の感覚もわからないセイキン。

「ミック!」
 ミックがあらわれた。部屋を開けるミック。
「…………」
 悲しい顔をしているミック。
「あいつら何者だ!」
 叫ぶセイキン、ここに昔からいるエルフとあいつらは違うと言う事は知っている。
「……ダークエルフだよ」
 ぽつりと答えるミック。
「ダークエルフ? ここら辺には住んでいないはずだぞ」
「うん……最近やってきたんだ」
「……くそっ!」
 ギリッと歯を食いしばるセイキン。怒りがおさまらない!それを哀しい目で見るエルフのミック。

「なんとかしてくれ! ここから出してくれ! それにマメリアお嬢様は!」
「マメリアちゃんは無事だよ。」
「……そうか」
 ちょっとほっとするセイキン。お嬢様まで何かされたらただでは済まない。お嬢様はこの街の権力者の娘だ。へたをすればここのエルフとの関係も悪化する。
「あいつらここに住み着いているのか?」
「二週間前ぐらいからだけど……」
「……逆らえないってことか?」
 じっとミックを見ているセイキン。リックはここのリーダーだ。しかしリックは姿を現さない。
「うん……」
 力なくミックが答えた。
「マレイアス……」
 じっとマレイアスを見ているミック。寝ているマレイアス、あれだけの事をされたのだ、疲れと屈辱感で泥のように眠っている。

「なにか方法はないのか? リックはなんと言ってるんだ?」
「申し訳ないって……」
 顔を出せる状況ではないということらしい。

「君たちは悪くないだろう、状況から見ての僕の判断だけど」
 眠っているマレイアスを見ながらセイキンが言う。
「僕も……どうしていいかわかんない」
 ミックも困っているようだ。ダークエルフにはかなわない。

「ダークエルフか……あいつらの種族にはたちの悪いのはたしかにいる」
「とにかく……これ」
 見ると側に食事の用意をした料理が並べられている。エルフ達が好んで食べる料理だ。

「……はあ〜」
 料理を出されても食べる気になんかなりゃしないと言うのが本音だ。
 それよりも部屋が開いているある意味チャンスだが……。

 実は逃げても無駄と知っているセイキン。出口は迷路のようになっているのだ。また結界を張られたら幻術で惑わされて出口は永久に見つからないだろう。出してもらうにはエルフの案内がいる。しかしもちろん出してもらえるわけがない。

「じゃあ……僕帰るね」
「おい……いつまでここにいればいいんだ?」
「……わかんない」
 ミックに聞いてもわからないのは当たり前だ。セイキンはますます落ち込んでしまった。
 明日からマレイアスの調教が始まる。
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