「マレイアス、今日から君はここに入るんだ」 射精を済ませ、すっきりした顔で微笑むサルン。 女をたっぷりと犯したという満足感でいっぱいのサルン。 この場所にずっと居ろというのだろう。 「ランカ、君もだ」 スッと流し目でランカを見るサルン。ランカは黙っている……じっとしているランカ。長身の身体を、下半身むき出しの身体をそっとかばうように……。 拘束状態から二人は解かれている。しかしもう反撃する気もないようだ。 「明日からたっぷりと女ダークエルフにかわいがってもらいな」 にこっとランカに笑うサルン。 「サルン様……」 下を向いてしまったランカ。どうしてこんなことを……と言いたいようだ。 「さて……疲れたよ僕は」 そりゃそうだろう、あれだけ激しく腰を動かしたのだ。汗いっぱいの美少年ダークエルフ。 だがその汗さえも気品がある。 「休むとしよう」 ゆっくりと二人の女をチラチラと見ながらこの部屋を後にするサルン。部屋の扉が閉められる。 閉じ込められたということだ。 二人の女の間に静寂が漂いはじめた。 「眠っていますね」 「ああ……よく効いているようだ」 美少女が眠っている。 マメリアお嬢様だ。もう二日以上眠りっぱなし。 そう、エルフ特有の眠り薬を使っているのだ。 「リック、これからどうするんだ」 横に居る先住民のエルフが同族のリックに尋ねる。 「どうって……」 返答に困るリック。 「このままあいつらのいいなりかよ」 「しかし……逆らえば……殺されるぞ、現にランカという女軍人も捕まったじゃないか」 「くそ! 人質が増えただけかよ!」 歯軋りするエルフ。サルンを捕らえに来てくれたと思いきや、リーダーの女軍人エルフはあっけなく捕まったのだ。これでは呆れるのも無理はない。 「僕らではどうしようもない……」 「あいつ本当にサルディーニ皇太子なのか?」 「ああ……元……な、今は身分を剥奪されているとか」 つぶやくリック。 「なぜだ、なぜ本気で捕まえないんだ!」 「……知らん」 つぶやくリック。 「くそ! これじゃあ俺達の立場も……ないぞ」 「…………」 リックは黙っている。このままじゃ人間達は黙っていないだろう……それはもっとも怖いことだ。 「マメリアちゃんだけはなんとか……」 この幼いお嬢様だけは手を出して欲しくないというのがリックの願い…… 幸いサルンは興味がないようだ。 「リック……力がないというのは……むなしいよな」 エルフが言う……弱い言葉で……現実を思い知らされている。 エルフとダークエルフの力の差は大きい。女ダークエルフにもおそらく勝てないだろう。 そこへ……サルンがやってきた……。 ゆっくりと二人を見つめるサルン。不適な笑みで二人を見る。欲望をすっきりと満たした笑顔だ。 「密談かな? 無駄なことはやめたまえ」 「サルン!」 リックが叫ぶ。 「僕どころか、あの女ダークエルフにも勝てない君達には、言う事を聞くことが一番の得策だと思うが」 「サルン! 君は一体どうするつもりだ!」 「どうするだと?」 サルンが聞き返す。 「人間との関係を壊しているのは君だ!」 言い放つリック。だがこれが精一杯。 「弱い立場の者の言う言い草はいつも決まっている」 「サルン!」 睨むリックとエルフ。 「その弱い立場に気を使っている君達は馬鹿だ」 「なにい?」 エルフが言い返す。 「なぜ人間に従う? 森や木を破壊している者達に」 「……サルン……だからといって人間の女を犯していいとは言えない」 「フン、個人の自由だ」 当然の権利というばかりのサルン。個人の自由ときた。 「サルン、このままじゃ……戦争になるぞ」 「で?……」 だからどうした? 知ったことじゃないというサルンの表情。 「君のようなダークエルフが増えているからこうなるんだ」 リックが言う。 「君のようなエルフがいるからいつまでたっても舐められるんだ」 言い返すサルン。そしてニッと笑う。 「僕はもう少しここに居座るつもりだ、あの女騎士を徹底的に虜にさせてから移動しようと思う」 「もうやめろ!」 リックが怒鳴った。しかしサルンは怯まない。 |
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