それから一時間以上……

「も、もうだめだ……お願い……です」
「あはっ! う〜ん最高よ!――」

 たっぷり焦らして狂わせているミレーユ。この宝物庫で激しい性行為を繰り返している二人。
 こんな場所でいいのかと思うが。お互い立ったまま、抱きかかえるようにして快楽をむさぼっている。 射精できないエルディーニは、気が狂いそうである。

「出したい? エルディーニ」
「え、ええ……」
 もうだめという少年王子。
「だったら、たまにでいいから、会ってくれる? これからも」
「……うっ……そ、それは」
 それはラゼを裏切ることになる。もっとも、とっくに裏切っているが。

「嘘でもいいの……言って」
 やさしう語りかけるお姉さま。そして、あそこをキュッと閉める。ペニスがさらにきつく苦しめられる。

「わ、わかり……ました」
「会ってくれるの?」
「あ、会います……会いますから……」
 もう、くたくたと、射精欲でいっぱいのエルディーニだ。

「約束して……誓うって」
 潤んだ目で言う。その目につい……

「ええ、誓います」
 言ってしまった。
「うふ、約束よ」
 そう言うと射精の許可を与えるミレーユお姉さま。激しく腰を動かして、射精を促す。

 一気に二人は、絶頂へ向かっていった。もっとも、ミレーユは、もう20回目だが……





「い、行きましょうか」
 やっと、終わった。早速出発である。
「ラゼと結婚しても、ちょくちょく会ってよね」
「え?」
 
 おいおい、嘘でもいいからでは……?

「さっき約束したじゃない」
「……だ、だって……嘘でもいいからと……」
「あら、あなた、そんな男だったの? プイ」
 またかわいく顔を横に向ける。


 ――は、はめられた……
 思う王子様。

「ミレーユ、そういうのって……」
 反論しようとするエルディーニ。
「うそつき、だったら、もう石碑には行かせないわ」
 なんというやり方。

 だが、あなたもうそつきだ。

「…………」
 文句言いたいところだが、ここでもめても仕方がない。領主を怒らせたら、困るのはこっちだ。
 どうせ、言った言わないの水掛け論になるだけ。なら、今はミレーユの機嫌を損ねないのが得策と、判断。
「わかりました」
「何がわかったの?」
「あ……だから……会いますから、きちんと会います」
 ミレーユをうらめしそうに見るエルディーニ。
「うれしいい〜」
 抱きつくお姉さん!

 うまいやり方だ。これからも、エルディーニは苦しめられそうである。

 こうして、二人は石碑へ行く事になった。
BACK NEXT TOP