追い出されたラゼ……
 結界の外で、悔しがる!

 ――うう、くそっ!

 サルンにいいようにされて、その上、あのようなことを伝言しろと……
 凌辱された怒りが収まらない。さらに、されていた時、自分の意思とは無関係に悶え、そして……

 

 感じた……あの憎らしい少年王のペニスによがり狂ったのだ。

 ――サルンさま……サルンさま……


 ――だとおおおおおおおおっ!?

 顔をしかめる、戦乙女。このうえない屈辱だった。同じ王族とはいえ、少年にいいように身体をもてあそばれ、狂わされた。感じてしまったおのれが憎い! 憎い!

 ブルブルと震える乙女の身体。

 だが今は、一刻もはやくこのことを、伝えなければならない。

 あれは脅しじゃない。サルンは本気だ。
 立ち上がるラゼ。ボロボロの服のまま……

 このままじゃ、帰れない。とりあえず……ブックルの屋敷に向かう事にしたようだ。森を抜けた後に、このことを話せる人間といえば、いま、彼しかいない。ラゼは、辛さと、屈辱を身にしみながら、ブックルの屋敷へ向かった。





「必ず、お救いいたします!――」
 ラゼの力のこもった叫びがこだまする。
「う、うむ……」
 驚いたのはブックル老人。いきなりボロボロの服で、この気迫だ。
 ラゼのこの気迫にびっくりしているのだ。この強さはマレイアス以上だった。
「大丈夫か? ラゼ殿、そのお身体で」
「身体は大丈夫ですが……その……着る服を、貸していただけませんか?」

 裸に近い格好では身動きも取れにくい。
「おお、もちろんじゃ。だがの、本気で今からダークエルフの国へ向かうのか?」
「はい!」
 力強い言葉だ。

 今から馬を走らせても数日はかかる。もっとも、カプセルで飛んでいけば、もうちょっとはやいが。

「しかし、その身体では……」
 ブックルが心配するのも無理はない。あきらかに弱弱しいのだ。
「急がねばなりません。サルディーニは本気です。本気で、人間の国まで……」
「それは聞いた、しかし……」
「お願いします! 馬と服をお貸しください!」
 目を丸くするブックル。気丈な彼女の言葉は心に響く。

「わかった。では、さらに供もつけよう。それが条件じゃ」
「……はい」
 素直に答えるラゼ。
「だれか、だれかおるか!」
 叫ぶ老人。するとマメリアがやってきた。

「おお、マメリア。ほかに誰かおらんのか?」
「あっ……あの……マレイアスは……?」
 心配そうに見ているマメリア。
「……うむ、今、そのことでちょっとな。マレイアスは大丈夫、必ず取り返してみせる」
「あの人……絶対に許せない」
 子供顔で怒るマメリア。サルンに対してだろう。気になっているのだ、マレイアスの身を……
 すると、ラゼが言った。

「マメリアどの、マレイアスは必ず取り返します! そして、サルディーニには、天罰を!」
「う、うん……」
 戦乙女エルフの気迫に、ちょっと圧倒されたマメリアお嬢様。ボロボロの服と表情がすごいのだ。

「おお、すぐに馬と人を用意するのじゃ。行き先はダークエルフの王都と言え」
「は、はい……わかりました」
 側近の男が、さっと出て行く。今から忙しそうだ。


 ――サルディーニ、必ず……必ずこの手で! 倒してみせる!――

 ラゼは心に誓った……



 せつない表情の二人……

 サルンの姦計によって、二人はこの部屋に幽閉状態。
 マレイアスは手が自由だが。

 本当なら……思いっきりしたい。貞操帯をはずされ、自由にあそこをかき回せるのだ。
 が、ランカと触手つきでは……すると、その触手が妙なことを始めた。

「え? ちょっと!――」
 なんと、マレイアスの元へ数本が伸びていく……

「うわあああっ!」
 驚く女騎士、いや未来の后。
「や、やめろ!」
 といってやめる触手ではない。あっという間に縛られてしまった。そしてランカに無理やり近づけ始めたのだ。

「な、なに?」
 驚く二人。互いに密着しあう。お互い顔をあわせる。


 これはレズをしろということか?


 当たりだった。欲望を満たせていない二人。その欲につけこむやり方だ……いかにもサルンらしい。
「……ねえ、マレイアス」
 せつない目で見るランカ。あっという間に愛し合うモードに突入。
「……あ、あの……私は……そういう趣味は」
「だめよ、私もうだめ……」
「え?」
 次の瞬間、ランカはマレイアスの口に舌を入れていた……
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