――キャッ!

 突然、舞いに飛びつかれた翔子。翔子の豊かな乳房に、服の上から潜り込まれた。

 顔をうずめる舞!
 
――びっくり――

 ――積極的〜ふう〜
 こういうタイプは、突然、普段と違う態度を取ることがある。翔子もいろいろな女を知っているが、舞がこういう行動に出るとは思わなかった。

 ――子供が胸の中で甘えているみたい、ふふふ。
 舞のようなタイプを嫌がる女性もいるだろうが、翔子は別だった。

 ――さ〜て子猫ちゃんが罠にかかったわね。ゆっくりと舞の顔を上げさせる翔子。

 そして……。


 やさしいキス。だが、ここで異変が起きた!――


 ――ん?
 ――んん!!――

 グイッと頭を掴まれた翔子。舌をねじ込まれる翔子。

 ――ちょ、ちょっと……ええ?

 積極的に攻めてきたのは、なんと舞の方!

 ――んっ、んあああっ
 予期せぬ行動に、完全に戸惑っている翔子。まさか舞がこういう行動に出るとは……長い長いディープキス……舞は興奮しているあっちの世界に逝ってしまっているようだ。
 

 舌と舌がいやらしく責め合う。

 ――きゃ!――

 翔子が押し倒された……もう立場は逆転状態。
 キスが終わった次は、耳を、首筋を、攻め始めた舞。はあはあ言いながら、愛撫を強引に行う。

 ――ま、まさか!
 半分犯されているような状態の翔子。ここで、嫌な予感を覚える。

 ――優実……優実の罠?
 考えすぎかもしれないが、優実とは対立している以上、だれが敵になるかわからない。翔子がそう思うのも無理はない。

 突然こんな行動に出られたら疑いたくもなる。
 ここで何かされるのでは……と。

 だが、現実は違っていた。首筋から胸にかけて服の上から激しい愛撫をした後、舞は顔をうずめたまま黙っている。じっとしている舞。ピタリと動きが止まる。 
 翔子に介入する隙が出来た。舞の顔を掴む翔子。そして舞の表情を見る。
 ――目が逝ってる――

「お姉さま! 好きです、好きです!」
 再び翔子の胸にうずくまる舞。身体が震えている、興奮状態が続いているようだ。

 ――なんとなく、だけど……わかってきたわ。

 どうやら疑いは、はやとちりという判断に傾きかけた翔子。こういうタイプによくある、興奮するとあっちの世界に逝ってしまうと分別がつかなくなる子。実は前の学校で似たタイプがいた。
 だから翔子はそう考えた。

 だが、不安もある。

「ごめんなさい、先輩」
 うずくまりながら舞が悲しそうな声を出した。
「私……どうしてこうなっちゃうの?」
 勝手に自問自答し始めた、やはり翔子の睨んだタイプらしい。
「大丈夫よ舞ちゃん」
翔子がやさしく問いかける。
「え?」
「私が大事にしてあげるから」
 そう言って再び翔子は舞にキスをした。

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