犯されているリリスに近づく裏の権力者。美しい胸をさらけだしているリリスに近づいていく。
 ツンと張っている乳首を,、上に乗っている男以外の男が荒々しく吸いついている。びくびくと嫌な嫌悪感が走っているリリスだが、決して声を出さない。

 そこにリリパットが近づいてきた。

 そしてゆっくりと耐えているリリスの口元に近づく……

 プ〜ンっと匂う香水の香り……

 (あっ……!?)

 リリスがピクッと反応する。いや生理的本能が反応する。


 (こ、この匂い……)

 無理も無い、この匂いはあのガッツとの時の匂いだ。嫌がおうにも忘れられない嫌な匂い……
 女性はこういうのは良く覚えているのだ。
 

 ――いい表情だ……この姿で用意させたのは正解だったな。



 カフスがよく似合っているリリス、もう上半身は脱がされかかっているいるが、すべて脱いでいるわけではない。まるで着エロのような格好になっている。
 冷静にリリスの身体の分析をするリリパット。

 ――たいした女だ、平民とは思えん。

 平民の女は根性がないとでも言うのだろうか? 下半身では男が必死にリリスを屈服させようとしているが一向に目をつぶって必死に耐えているリリス。
激しく上下に揺れるたびに美乳がゆさゆさと動く。

 が、動じない。
 それをにっこりと笑いながら見ている仮面の男。

「おい、バックから攻めてみろ」
 リリパットがリリスの膣肉を攻めている男に命令する。

「は、はい」
 一向に屈服しないリリス対し、業を煮やしていた男もバックから攻めればと思っていた。
「へへへ、後ろから思いっきり犯してやるよ」
 力ずくでリリスをうつぶせにしようとする、が、リリスは抵抗する、目をつぶったままだ。

「こらあああっ! 言う事聞けや!!――――」
 またもや暴力で解決しようとすると……

 手を上げようとした男の腕を掴むリリパット。

「芸術品を傷つけては困る」
 睨む。

 リリスではなく、男にだ。

「……は、はい」
 ひるむ男。リリパットの目にひるんでいる。
 仮面の奥の目が怖いのだ。ぞっとするような目つきが見える。リリパットの冷たく冷徹な部分が垣間見える。

「女、うつぶせになって尻を上げろ、でなければ横にいる女を犯す」

 ピクッと反応するリリス。ミクを取引に利用し始めたリリパットに対して……


 ついにリリスは目を開けた……ミクを出されるとやはり弱さが出る。

 (ミク、ミクだけは……)


 目を開けるリリス、その目の前に……


 仮面をつけた闘牛士のような格好をした口ひげをはやした男が立っている……
 だが顔は見えない。しかしその奥のぎらついた瞳はしっかり見えていた。
 さらにあの……


 あのいまわしき香水の匂い……


 (ガ……ガッツ?)

 一瞬頭脳は思考回路でガッツを思い浮かべる。しかしここにいるのはガッツではない。
 目を開けたリリス。そのリリスの表情を楽しんでいる男がそっと寝ている状態のリリスに言う。

「あの女を傷物にされたくなければ従え」
 不適に笑いながらリリスを見る。平然と取引を始めるリリパット。


 ピクッと動くリリス。両足を広げられ犯されたままの状態でリリパットを見る。


 (だれ?……この男……でも……この香水……香水)

 なぜかわからないが冷や汗が出るリリス。ようやく恐怖心が出てきたのだろうか?
 だが黙っている、返事はしない。しかしこのままでは……ミクが……

 




 考えるリリス。このままいわれたとおりにするなんて絶対に嫌だ! しかし横にいるミクには手を出されてほしくない!

 悟った……そして息を呑む。次に言葉を発した。



「この男をどけなさい、じゃないと後ろ向きになれないわ」
 毅然とした、毅然とした態度で言う。


 ――――なんと……いま、なんと言ったのだこの女は……

 仮面の奥の目が丸くなる、瞳が大きく見開く。

「ふ、ふふふっ……気に入った」
 まさかこういう命令口調で言うとは夢にも思っていなかったのだ。これほどの状況でこの冷静さ……

 


 考えられない!



「おい、女王陛下の命令だ、そこをどけ」
「は?」
 一瞬びっくりする男。

「女王の命令だといっている」
 ギロッっと仮面の奥のリリパットの目がぼーっとしている男を睨みつける。
 あっという間にリリスは女王にされてしまった。
 あまりにも気高く気品のあるように見えたのだろうか?
 
 仮面の他の者たちも信じられないといった顔つきだ、ミリアムもまさかここでツス家の当主が女王という言葉を使うとは思わなかった。

 上になっている男がいそいそと女王の身体から退く……
 女王はリリパットを見る……

 裏の権力者は美しき女王をじっと鑑賞していた……
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