クリーム


 ――あんっ……すごい、お姉さまの指。
 いつ見ても見事なテクニックとしかいいようがない。女を狂わす指、逃れられない快楽、寸前で快楽を焦らし、コントロールする技、これはもう天才の指と言ってもいいかもしれない。もちろん指だけではない。舌のテクも超一流だ。昔覚えこまされただけの事はある。
「さ〜てまず、何をして、何をされたかいってごらん?」
「は、はい……あの……」
 ミクはつぶさに細かく報告し始めた。小さな情報も逃さないようにリリスは聞いている。乳首触ったら感じ方が凄かった、穴はびっしょりだった。まあそんな事は当然でしょう。あの媚薬ならね。ここまでは別に驚くことはない。しかしその次の言葉は衝撃だった。

「椅子の肘掛に足を乗せて……いろいろと」
「あし……って……ちょっと、ホント?」
「はい、ミセルバ様……あんっ、ホントに、あ……そこいいです、って喜んでました」

 想像しただけで格好がわかる。しかしそれより驚いたのは、ミクがそこまで出来るとは思わなかったのだ。当たり前だが相手は御領主様。ちょっと怒ればミクは躊躇しただろう。それが出来ないほど狂ったのか、いやそれともミクに対して出来ないのか。

「そう、どれくらい攻めたの?」
「え?」
 その瞬間ミクの表情が変わる。
「せ、攻めるって私がミセルバ様を?」
「あら、狂わしたんじゃないの?」
「そ、そんなこと……ないです、ミセルバ様は嫌がってません。私そんなことしません」
 
――あっ、しまった……。

 リリスが躊躇する。
「ごめんなさい、言い方が悪かったわ。ごめんねミク」
 少し眉を細めていたミクだったが、
「いえ、わかってくれればそれでいいんです。お姉さま」
 ミクのミセルバに対しての尊敬と畏怖の念はすごいものがある。

 ふう〜こんな状況でも……これが人の想いの強さ。忘れてたわ・・私

「ミク、大好きよ、あなたが望むことなんでもしてあげる」
 やさしく言うリリス。

「うれしいです〜そう言って貰えると、うふ、それってミセルバ様が言ってくれた事と似てる」
「え、なんて言ったの、ミセルバ様は?」

「え〜とお、そなたが望むことを、それで良いだったと」
 愛撫も忘れてリリスは聞き入った。

 ――そう、そなたが望むことは……私もってこと……ふふいい言葉ね。



 じゃああれも使えそうね。

 抱きかかえていたミクを離し、リリスは机の中から小瓶の様なモノを取り出したのだ。

後ろ トップ