地下牢


 ――ああ、もう〜まただ。

 勃起したモノを必死に小さくしようと考えるロット。

 やっぱり副作用なんだろうなあ〜

 昨晩、4回も自慰をした。その上、まだ勃起したりないと見える。だがここで処理するわけにはいかない

 そう……ここは執務室。御領主様が一緒にいらっしゃるのだ。次から次へ書類に目を通している。後ろからそれを見れば、変な気分を起こすのも仕方ないかもしれない。同時に色気も振りまいているのだから。これがロットには良くない。勃起してくださいといっているようなモノだ。
 今日は紫色の見事なドレス。胸をよせあげて大きく見せる谷間がまぶしい。触りなさいと言われれば、喜んで触りにいくだろう。が、現実は別。

 ――冗談じゃないよなあ、ホント。

 副作用はあると聞いてはいたけど、ここまで……。それに加えて副作用を誘発する人物が側にいたのではますます効果絶大だ。

「終わったわ」
「あ、はい」
 ロットがスッと側によって書類を取る。

 ――うわあ。

 チラリとミセルバの方を後ろから見る。いつも以上に甘い香りがする。

 美しい……。


 はあ〜きれい……。

「どうしました?」
「あ、いえ……も、申し訳ありません」
  近づいたままロットがじっとしていたので、ミセルバが振り向いて尋ねたのだ。
「ふふ」
「あ、ははっ」
 一瞬空気が止まる。

「じゃあ後は頼みますね」
「はい」
 そう言ってロットはそそくさと出て行った。今は出て行くべきだ。アレを収まらせないと……大変。さて……と……午前中の仕事は終わった。考える時間が出来る。辺りを見回すミセルバ。だが見たからミクが出てくるわけではない。

 ――う〜ん……考えてもねえ〜こんなことを。その時だ。

 コンコン。

 ん?扉を叩く音がする。

「レイカです」
「あら……どうぞ」
「失礼します」

 深々と頭を下げて入ってきたレイカ。メイド長レイカ……32歳。ミセルバが重用している一人である。

「今よろしいでしょうか?」
「ええ、なにか?」
「実は……変な入り口みたいなのを発見しまして」
「入り口?」
「はい、私の執務室から地下に入っていくようなモノらしいのですが」
「…………」

 あ、それって……。

「レイカ、それは」

 ――う〜ん行ってから説明したほうが良さそうね。
「今から私も行きますわ。レイカあなたも立ち会って頂戴」
「あ、はい」
 二人はメイド長の執務室へ向かって行った。
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