不満 |
聞いてほしくない……そんなこと。 ――私に決めさせないで……そっちの方がもっと……気持ちよく―― そういいたいミセルバだが口に出してまでは言えないようだ。 あっ、あんっ……う……んっ、いいっ、そこ……。 考えている間もミクは刺激を与え続けている。そして一気にミセルバは絶頂へ向かっていった。ビクビクと来る快感。 ――確かに……イッタ―― ミセルバは焦らされて望みのモノを……・手に入れた。 でも……。……いや……違う……これじゃ物足りない。 「ミセルバ様」 ミクが余韻に浸っているミセルバの上に覆いかぶさって来た。キスを交わす二人。ミクのニッコリ微笑むその笑顔を見るとミセルバは何も言えなくなる。しかし物足りなさが残る。じわじわと被虐の喜びを求めるようにと身体が要求するかのように……。そう……こういうプレイは、自分が決めてするものじゃない ――相手に縛られる…… ――拘束される。 ……それが…… 喜び。 そう……そうよ。 ――それが私の望み――私の望みなのよ! 「どうしましたミセルバ様?」 考え事をしている御領主様にメイドが問いかける。 「ミク……お願いがあるの」 「はい」 ミセルバが覆いかぶさっているミクを抱きしめる。 「私を……私を」 ミクはじっと見つめている。何を言うのか興味深深のようだ。 「支配して……ミク」 「え?」 「ミク、私はあなたのモノなのよ」 「あ、あの……ミセルバ様?」 「ミク、ミク……お願いわかって」 「え、いえ……そ、それはいったい?」 ミクが問いかけようとした時、ミセルバがキスを求めてきた。きついキスだ。ぐいぐい締め付けるかのようなディープキス。ミセルバは徐々に危険な世界の入り口に入ろうとしている。 ――強烈なキスは終わらない。 はあ〜 ゆっくりと唇を離すミセルバ。 キスが終わったようだ。 しかしそれは……新たな世界へ入る時……。 今ミセルバはその新たなる世界を迎えようとしていたのである。 第2章完 |
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