少年の部屋


 ほんとに……ほんとにきた。

 来るのはわかっていた。が、やはりここにリリスがいるということは半分信じられない。

 ――きれいだなあ――なんか今日のリリスさん、違う。

 昼間のエロチックむんむんの女性ではなく、色気とおしとやかさを備え持つ才色兼備のような雰囲気がする。さっきまでよからぬことを考えていた少年。そう、淫靡な想像をふくらませ、股間もふくらませ……
 だがここにいる女性を見ているとそういう雰囲気さえ消えてしまう。着ている服はメイドが夜休むときに着る寝姿だ。別に透けているわけでもない。しかしやはり妖艶な雰囲気はある。

「ロット様、お疲れではありませんか?」
「あ、そ、そうだね、ちょっとだけ疲れてるかな?」
 音楽会の気づかれが残っているらしい。
「では横になってください、身体をお揉みいたします」
「えっ、あ……うん」
 言われたとおりに横になるロット。するとリリスは肩をゆっくりと揉み始めた。

 ああっ……きもちいい。

 性欲とはまた別の欲求が満たされていく。次に手は背中へ向かう。つぼを押しているようだ。身体の疲れが吹っ飛ぶような感覚が迫ってくる。少年の身体に赤味が出てきた。マッサージの効果だろう。だが、後で思いっきり疲れることになる予定なのだが。
 リリスはこういうことも手馴れているようだ。性儀もうまければ、マッサージもうまい。女だけでなく、男を喜ばすことにかけても天才的なのかもしれない。次にお尻に向かって両手が動き出す。お尻をゆっくりと揉み解す。なんともいえない感覚……。
 お尻の割れ目を親指にかけて少し広げる。肛門がちらりちらりと見え隠れする。徐々に淫靡な雰囲気が二人を包み込み始めた。それから両足のつぼをめがけてマッサージが続く。

 ――眠い――眠くなってきちゃった。

 ロットはもう夢にいるような状態かもしれない。
「ロット様、では背中を返してください」
「あ、うん」


 ――いよいよ。 いよいよだ。

 ロットの期待は膨らむばかりだった。
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