告白 |
「ミク、最高だったわ」 「そう言われてうれしいですミセルバ様」 ミクがにっこりと微笑む。余韻にじっくりと浸っている御領主。焦らしに焦らされてイッた時の感覚はいつでも最高だ。だがその余韻に浸っている間にミセルバには聞きたい聞きたいという衝動にかられる。 ――そう、リリスのこと。 「ねえ……ミク」 「はい?」 「あなた……リリスとは」 「?」 言いかけてやめるミセルバ。やはりためらいがある。 「ミセルバ様、なにか?」 地下牢のベッドの上でお互いに顔を見合わせていたがミセルバがスッと横を向いた。 「あの……」 「ミク」 「あなた、リリスとは……どういう」 「ミセルバさま……?」 ミクの心がビクッと揺れる。 「どういう関係なの?」 ――聞いちゃった――とうとう。 もやもやした想いがこの数日あった。それを今噴出したのだ。リリスの噂はメイドの中ではもう噂ではない。みな知っていることだ。だが特殊でもない。この国では男同士の恋愛もよくあること。男色マニアの権力者も多いのだ。 ミセルバはミクをじっと見つめている。こういう時に下を向くような女性ではない。相手をじっとみつめ、その返答を待つ、というタイプの女性だ。ミクにとってはとうとう……とうとう……。 そのときが来たと感じている。ミセルバ様は綺麗で尊敬する大貴族の女性、リリスはメイドのサブリーダーとして憧れの人。 ――どちらも大事な人。 両天秤にかけていたわけでもない、ミクには元々そのような気も、才能もないのだ。 だが……。 恋愛感情が入れば、人間はややこしくする事を好む。下を向いていたミクだが、 「ミセルバさま、私はリリスさんとは」 息を呑むミセルバ。 「お姉さまというような関係です」 ――おねえさま。それはつまり……。 ミセルバがじっと見つめる。ミクもじっと見つめていた。 後は……後は……ミセルバですべてが決まる。 すべてが…… |
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