ふう〜疲れたあ。

 リリスは自分の執務室で一息ついた。あのいやなメイド長から今日もグダグダ言われたのだ。メイドの手配について、気配りが足りないというのが今日のお小言だった。

 ホント……うるさいわねえ。

 奴隷にしてやろうかしら?ふふ……冗談まじりに考えている。あの女性を狂わせるのも面白い。

 ――まあ……おばさんには興味ないけど。

 おばさん……確かに30は超えている。しかしまだまだ現役でも立派に通用する身体だ。もしかしたらリリスと対抗出来るほどの肌の持ち主かもしれない。それがまたリリスには気に入らないのだろう。それよりもミク……ミクだ。

 どうなるかしら……さっきはああ言ってあげたけど。大丈夫かなあ〜

 本来なら企みがうまく行っているのだ。にやにやしたい気分のはずだがそれもミクのあの態度を見ると少しかわいそうな気持ちもある。執務室の周りはシーンとしている。リリスは椅子に腰掛けてリラックスし始めた。

 ――これからどういうふうにしようか。

 ミセルバ様を……利用して――なんていけないことよねえ。

 ふふ、いまさらなに言ってるのよわたしったら……さんざん利用してるようなモノじゃない。

 利用……利用かあ〜利用?

 なにに?――

 ――別になにも考えてはいないけど……でも。

 面白い。面白い……これに尽きるのよ。これを昔のあの馬鹿女にできたら。嫌な事を思い出したようだ。リリスが性的虐待を受けていた頃の事。馬鹿女とは女主人のことだ。浣腸され、放尿を……周囲に見られ……ホント。

 ――地獄だったわ――

 あの想いは忘れないわ絶対……いつか……いつか……復讐して。

 はあ〜


 ――無駄ね、そんなこと出来るわけない。メイドの分際で……ねえ。相手は貴族の女性よ……出来るわけないわよ。力でもあれば……権力でもあれば別だけど。権力かあ〜ミセルバ様のように持ってたら
 それかその権力を操れば……ふふ。妄想はよくないわね、淫らな気持ちになっちゃう……ああっ――

 スルスルと左の手が秘裂に忍び込む。

 ――ううん……た、たまらないわ、あの女を……思いっきりいたぶって……狂わせて……駄目!駄目ェ!……って。

 ――やめて!やめてええっ!ふふふ……いい言葉。


 サディストの心が湧き上がるリリス。他の女性にここまでの想いはない。しかしあの女だけは、あの女だけは別なのだ。

 くああっ……いい……ひさしぶり。一人で……するの。

 愛撫が激しくなる。舌をペロリと出してエロチックな表情を加速させる。

 ああっ、私も……ミセルバ様を。

 ミセルバ様を……かわいがって。

 ――焦らして――

 いいなあ〜ミク。

 ミク……ああ〜気持ちいい。

 イキソウよ、ミク。




 ふう〜んもう……昨日あれだけ楽しんだのに。駄目ね……ほんと。それにしてもミセルバ様の件は、わくわくするわね。どうなるのだろう……一歩間違えば怖いかもしれない。しれないけど……でも。

 ――スリルはあるわ。やめられない、このスリル。

 軽い絶頂に浸っているリリス。面白半分に始めた企みは少しづつだが形が見え始めた。

 この関係……この形――変えたくはない。このままで……どうなっていくか――見守りたい。そして状況によっては。


 まあ……のんびりと構えましょう。ゆっくりと仕掛けてね。それが一番よね。

 イッた余韻に浸りながらクスクスとリリスは笑っていた。
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