お忍びでの出来事 |
殿下が出掛ける時は仮の姿に代わる。まさか私は皇太子殿下ですとわかるように出たらそれはそれでとても窮屈なのだ。だからお忍びでどっかの貴族の道楽息子のような格好で出掛ける。なかなか似合っている。 ネクタイはフランス貴族に見えるようなモノをつけている。腰も細く見えるようにしてあり、美形の美男子には良く似合う。殿下もかわいい系の男の子だ。すらりとした長い足は、ある意味美しい。 ルビア達も、服装がちょっと違う。階級章などは変えてある。佐官クラスの人間を連れて行くのは大貴族クラスだからだ。外交官のクライシスは普段どうり。まあ外交官専用の服はないのが普通で、公式の服さえ身に着けなければ身分はわからない。 ――さ〜て。出たのはいいが、どこ行こうか。 殿下は正直困っている。 ――変なところにはいけないしなあ〜 男同士ならまた別なのだろうが。年齢も10以上はみな違う。趣味や遊びも合わない。 ――ラミレスの所かなあ〜丁度いい紹介するかな。 殿下はラミレスの屋敷に行く事をお決めになったようだ。 「よう」 「あら、こ、これは……ポポ様、こんばんは」 深々と礼をする女。この屋敷のメイド、クリスだ。殿下が来ても決して他人には教えないようにいいつけてある。また殿下と呼ばないようにも言いつけてあるのだ。ばれればなにかとうるさい。 そしてクリスは実は殿下のちょっとしたお気に入りでもある。 「ラミは?」 「あ、はい、奥の部屋にいらっしゃいますよ」 「そう、じゃあ上がるよ」 「失礼します」 「どうも」 ぞろぞろと男女総勢5名が部屋に上がって行く。大人の者を従えて。まあ貴族なら普通なのだが。 メイドはそれをちょっと不思議そうに見ていた。 「いきなりびっくりだよ、ポポ」 「すまないな、なにせこれのほうが手っ取り早く紹介できるから」 いきなり大人を4人連れてきたのだビックリするのも無理はない。ラミレスは何かしていたようだ。 「さ〜てなにしようか」 「…………」 大の大人と?趣味も遊びも合わないだろう。 「なあなあ、ちょっと」 ラミレスがなにかささやいている。 「ちょっとここで待っててよ」 「わかりました」ルビアが答える。 ラミレスと殿下は隣の部屋に行ったようだ。 「ふう〜あの年頃は扱いにくそう」 「はは、本当ですね」 メルビンが答える。メルビン大尉。ぽや〜とおとなしそうな男だ。身体はがっしりしているが、気はやさしそう〜というタイプ ルビアはこういうタイプの方が扱うのは得意だ。旦那も同じようなモノだから。むしろクライシス外交官の方が扱いにくい。にしても一緒に今からいる事は多くなる。ルビアもいろいろ気遣いで今から大変だろう。 「おいおい、いい女じゃん」 「あ〜お前、ああいうのタイプだっけ?」 ラミレスは、無類の年上好き。城のメイド等もチェックしているほどだ。おまけにしゃべりがうまく結構人気もある。ポポとは幼馴染みたいなモノだ。父上が王と昔なががらの付き合いがあるらしい。 「な、なあ〜ここから覗いてみろよ」 「え?」 どうやら隠し覗き穴が隣に続いているようだ。こういうのを作るのが得意なラミレス。根暗のように見えるが、ラミレスも顔は美形でかわいいタイプ。 「これつけて見てみろって」 言われたとおりにレンズのようなモノを目に取り付ける。そしてアナを覗く。 ――おお!―― ここからルビア達が見える。しかも拡大して穴の横のボタンをねじって動かすとアナの先の仕組んでいたレンズが左右に微妙に動き、部屋全体を見通せるようになっている。それを拡大して見れるというわけだ。 さっそく、位置を女に会わせる。男なら当然だろう。まずポポが見始めたのはクリティーナ。かわいいタイプの大人っていう感じの女性。胸はそこそこの大きさだろうか?しっとりタイプといってもいい。なんでこんなタイプの女性が軍人になったのだろう?興味が尽きない。 ――さて、さっそく見るとこは…… ――ありゃ? 後ろ向きで胸が見えない位置にいる。お尻もいい位置にない。つうことで……次はルビア。 ちょうどいい位置にいたようだ。胸と股間が正面に迫っている。みんな座っている。まあ立ってても仕方ないだろう。ひざを折ってリラックスしているようだ。いわゆる女性らしい座り方……正座ではない。制服はパンツの上がちょうどスカートのようになっている。ガンダムの連邦軍の制服といえばわかりやすいかもしれない。ちなみに初代以外は私は興味がない。 ――覗き見とはそそるモノだ。 おお、いいアングル…… 拡大するとよく見える。 あ、あれが…… 剣の柄を見るポポ。 ――あの中は……あの張り型が。 昨日の妄想がよみがえる。 ――しかし、すごいよなあ〜あんなとこに隠してるなんて。 ルビアの淫らな一面を垣間見たあの瞬間は忘れられない。たちまち股間に神経が伝わる。 うお!起っちまった。 「おいおい?なに立たせてんだよ、これぐらいで、まあいいやかわれよ」 「あ、うん」 ポポは、ラミレスに覗き場を譲る。今度はラミレスが見ている。もちろんまっさきにルビアだろう。 ……あの剣で……・またすること……あるかなあ〜 見てみたい―― 見てみたい―― 見たいものは見たい…… 正常な欲求だ。だが普通は見れない。 ――なにか方法ないかなあ〜 「なあなあラミ」 「なんだよ今いいところなんだって」 「あ?」 「あ、動きやがった」 「ははは、日頃の行いが悪いからだ」 「ちぇっ」 ラミレスはまだ諦めていないようだ。再びいいアングルが来るのを待っている。 「あのさ、お前ルビアに興味あるの?」 「あるから、見てるんじゃん、お前ってそういやかわいいのがタイプだったな。年上の女もかわいくないといけないんだろう?」 「え、いや」 「ガキのどこがいいんだよ、これからは大人の女よ大人の女」 「ふっ……そりゃお前だけだって」 まだ見ているらしい、真剣だ。 「なあ、お前オナニー見たことある」 「あ?ああ〜あるよ。メイドの昔一度、なんで?」 「いや、見たんだよ……ルビアの」 「なにい!」 ――大声で聞き返すラミレス。 「あ、あほ」 ラミレスの口に手を当てるポポ。 「きこえたかな?まあ何してるかはわからないけどな」 「それより本当に見たのか?」 「ああ」 「どうやって?」 実はこれを言いたくはなかった。だがポポは……ポポは説明をひそひそ始めた。 ――へ〜そうなのかよ。そりゃあすげえ〜 で?お前なんで今までその通路俺に隠してたんだよ―― いや、あのなあ〜 続けて説明するポポ。父上や母上の寝室どころか、重要な機密会議の場にもつながっていたからだ。 いくらなんでもそこまでは同じ王族として教えられない事もある。 ――まあ、わかるけどさ……教えてほしかったよなあ。俺達親友だろ? 「すまん」 「あやまるなよ、そういうとこおれ好きだ。お前の」 ふふふと笑うラミレス。なるほど仲がいいのがなんとなくわかる。 「そうか、なら……仕掛けてみる?」 「え?」 「したくなるようにさ」 「出来るのかよ」 「ああ」 「媚薬?」 「まあ〜そんなとこだけど」 ――ふ〜ん―― よからぬ企みをする二人。 ああ、ちぇ……もう全然駄目だ。 どうやらお手上げの状態らしい。ラミレスも諦めたようだ。 「まあ、お前次第だけどな」 「なに使うんだ?変なのは嫌だぞ」 「こっちきな」 また隣の部屋に殿下は案内された。 |
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