ルビア、クリティーナ、メルビン、クライシス外交官。みなクライシス以外ははじめて顔を会わせる者ばかりだ。 「このたび殿下の警護役を仰せつかったルビアです」 「うむ、よろしく」 ポポにしてはえらそうな言い方だ。まあこういう言い方をするのが儀礼なのだろう。が、ポポは目を合わせない。特にルビアには。 「クリティーナです」 クリティーナ……なかなかかわいい顔立ちだ。胸は小さそうだが。 「メルビンです」 「どうもクライシスでございます」 クライシス外交官……なかなかの顔立ちだ。めがねの似合う27歳ということらしい。 「うむ、みなよろしくな」 「はい」 「ところで……クライシスよお前はなぜ警護役なのだ?」 「昨日お話したはずですが」 なにも聞いてなかったらしい……殿下は…… 「あ、すまん忘れた」 「わかりました申し上げます」 話はこうだ。隣国のこの外交官は、外交のことだけでなくこの国の慣習、つまり貴族のしきたりとか作法とかの勉強もしているらしい。将来はその方面でも第一人者の教官として教える立場になるためには、この国の王族の作法とかも勉強したいと言うわけだ。 ――それなら、もっときちっとした……上の二人の姉上の方が。 と、ポポが思うのも無理はない。殿下自身自分は結構いい加減と自覚している。 ――まあ、いいけど。 「じゃあよろしくな、で、今から何かすることあるのか?」 「いえ、特別には」 ルビアが答える。出掛る時、殿下が呼びつける時以外はこの役はなにもない。 「僕もなにも今日はない。出掛ける予定もないし、勉強も今日はお休みだ」 「…………」 「暇だな……なあそう思わないか?」 横にいたメイドに声を掛ける。 「は、はあ〜そうですね」 そう答えるしかメイドもないだろう。 「だいたいなんで警護なんぞ必要なのだ?いつも一人で好き勝手やってこれたのに」 それを殿下が言われたら身も蓋もない。もう13歳、落ち着けということだろう。 「…………」 一同だんまり状態だ。 「まあ、せっかくだどこか出掛けよう」 殿下は外出することに決めた。息が詰まるのだ、このままでは。 ――にしても、あの剣の柄。昨日のモノだ……間違いない。あれであそこを……服の上。ますますルビアの顔を見れなくなる。 ――勃起してきた……わわっ……。これから大変だなあ。 それにしても改めて見ると女軍人の制服はエロィ。今までそう気にならなかったのが昨日の影響で180度変わってしまった。 ――まあ、いいや。さて、行くか。 重い腰をよっこいしょと上げる。総勢5人の外出が始まった。 |
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