暗闇の洞穴。二人の男の子が下準備を重ねている。 「よお、準備はOK?」 ポポがラミレスに声を掛ける。いつも二人が待ち合わせる場所。にしてもこの洞穴は本当に広い。 戦時中ならしばらくは隠れ蓑としても使えるところだ。ろうそくを立てるところまで細かく作られている。 ラミレスは小物を入れる袋と短剣を持っている。 「あれ?何で剣持ってるんだ」 「夜は短剣ぐらい持ち歩くのがたしなみだぞ」 「ふ〜ん」 ポポはそんなもんかなあという顔をしている。貴族のご子息は確かに剣を持つのはたしなみの一つ。 だが殿下はあまり剣とかには興味がない。 ――剣の柄なら別だが…… 大剣ならかっこいいとは思うけど……大剣なんてポポに持たせてくれるわけがない。危ない危ないの一言で終わりだ。また殿下の周りには多くの衛兵がいつも守っているので、必要のない物でもある。 まして短剣なんて――女性が持つものという感覚を持っている殿下。実際現実のRPGもそういうモノだ 「よし、行こうぜ」 「うん」 二人は洞穴から城に入れる出口へ向かっていった。 ――やっと来れるみたいね。 夫が、マグが来る。いたらいたで満たされないモノもあるが、いなければいなければで寂しい。 もう二週間近く夫のモノを入れていない。変わりに自慰の欲求が襲ってくる。 もうすぐ来るという夫からの手紙。机の上に置いて、ルビアは考え事をしていた。 ――はあ〜はっきりいって……つまんないのよね。 不謹慎かもしれないが……つまらないのだ、なにせたいくつ……することがない。殿下のお供以外の役はなし。城下町のパトロールでもしたいところだが、その役どころは他の軍人、兵士、騎士等がやっている。自主的にするという手もあるのだが……。 これがやっかい。わざわざ任務に横槍を入れるようなもの。嫌がられるに決まってる。 とくに女がそれをすれば……役職としては城下町の見回りなぞより地位ははるかに高い。しかし高くても暇と言うのも……困る。 だから、自然と…… 自慰が増える。 ――はあ〜また、ゆっくりと……手が、 あそこに…… 「やめてください!」 ハッとするルビア。 ――え? 「なにするんですか!」 どうやら屋敷の外から聞こえるようだ。 ――あれは……メイドの。 「ちょっと!」 「へへへ、いいじゃんかよ」 どうやら屋敷の前で男たちに絡まれているらしい。屋敷の他のメイドたちも声を聞いて飛び出してきた。 「ちょっと!やめなさいよ」 飛び出してきたメイドの一人が男に怒鳴りつける。 「なんだあ?俺様をなんだと思ってる!」 「知らないわよこのスケベ軍人!」 「き、貴様!この俺を愚弄する気か!」 怒った軍人の一人がなんとサーベルを抜いた。 !!―― さすがに一瞬躊躇する叫んだ女。メイドたちも驚いている。 「やれるもんならやってみな!」 勇敢にも向かっていったメイドの一人が言い返す。 「へへへっ、やって……やらあああっ!」 剣を大きく振りかざす男。威嚇ではない。どうやら本気のようだ。酔っている勢いで切りつけようとする。 その剣に――ルビアの剣が…… 交差した。 !!――な、なんだ? 一瞬驚く男たち。 そこには剣を抜いて男たちを睨むルビアがいた。 |
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