――はあ〜なに、なによ……この感じ

 椅子に座っている熟れた身体を持っている28歳の女軍人が、違和感を覚えている。
 といっても嫌な気分ではない。

 むしろ、身体は元気いっぱい。目もランランとしている。だが、微熱があるのだ。
 ところがその微熱があっても疲れていないのだ。普通熱があるということは、具合が悪いという場合が多いのだが。

 ――やっぱり……今日のことは……だもんね。
 殿下との行為がストレスになって微熱があると思っているルビア。しかし現実はそれだけではない。

「ルビア、入るよ」
「あ……は、はい」
 寝室にマグが入ってきた。

「忙しい?」
「え?」
 マグを見て聞き返すルビア。

「いや、なんとなくそう思って……でもそれならここにはいないよな」
 私服のルビアを見て言うマグアイヤ。書類整理などならこの部屋ではしない。
 ここは夜を……の部屋だ。
「ええ……」
 にっこりと微笑むルビア。しかしマグはちょっとびっくりする。

 


 (うわ……な、なんだ?)




 ルビアが違う……なんか違う……なんといえばいいのか……違うのだ。

「どうしたの?」
 ルビアが尋ねる。ほんのりした色気があふれ出ている今のルビア。私服の服はゆったりタイプの服だ。ローマの衣装のような格好。胸の誇張が一層色気を引き立たせている。腰にベルト、下半身はカジュアル風のパンツ。
 いつもならそんなに感じない夫も今日は……

 (……な、なんか)

 (違うぞ)



「きれいになったね」
「え?」
 ドキッとする。女軍人。

「ふふ、なんか今日違うなあ〜」
 ルビアの魅力を再確認するマグ。その言葉に心当たりのあるルビア。

「あ、あらそう? ふふふ、うれしいわ」
 もう一度作り笑いでにっこりと微笑む。悟られないようにという防御本能が働く。ルビアはポポを思い出す。 夫は何も知らない。

 (だめだ……魅力が……ありすぎる)



 食事を終わったばかりのマグ。ちょっとお話しして忙しいようだったら部屋を出るつもりだった。
 まだセックスする時間にははやい。


 しかし……今のルビアの色気はそれを許さない。
 ゆっくりと座っているルビアの後ろに行くマグアイヤ。見れば見るほど惹かれていく。


「あ……ちょ……ちょっと」
 後ろからやさしくほっぺをキスされた。


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