甘美な診断


 マイカが快楽に浸った三日間から一週間が過ぎた。ここはライザの診察室。

 ふう〜今日の診察も終りかなあ。

チラリと鏡を見ながら一人のスタイル抜群の女性が物思いにふけっている。彼女の名はライザ、ミセルバ様の直属の主治医及びメイド等の健康管理が役目の女医である。

 ――うふふ、いつみても美しいわあ〜私って。

 ナルシスト特有の感情に浸っているようだ。特に最近は診療中でも回数が増えてきている。なぜなら、はっきり行って……。

暇、なのよねえ〜ほんとに。

 以前の診療所ではこんなに暇なことはなかった。朝からスケベづらした男達が群がっていたからだ。
しかしここにはもうそのスケベづらはいない。少なくとも表向きは。

 ま、側務官とか、軍人はあいさつ来るのよね、それもなぜか頻繁に……看護婦目当てなんだろうけど。

 だが肝心なことをライザは忘れている。男達の中にはライザ自身も目的に入っているからだ。わかってはいるようなのだが認めたくないのだろう。にしても暇なのは確かである。定期的に診るのは主にメイド達、毎日2〜3人づつだが診断している。そして問題はその後だ。する事がないのだ。与えれた仕事は、ミセルバ様の健康チェックとメイドの定期診断。
 ミセルバ様は週に一回ほど、後はメイドをちょちょっと診て終わり。その定期診断も極端なこといえば自分で決めていい。つまりもっと楽にも出来るわけである。だいたいこの歴代の医者がやってきた定期健診もなぜかメイドだけをターゲットにしている。先代の主治医まで記録にはやるようになっていたからライザも何も考えずにこなしているのだが、やはり意図的であろう。

 ――メイドばっかりチェックしてたってわけね。まったく〜男って奴は。

 カルテも女性の身体については驚くほど詳しく書いてある。男性のはいいかんげんだ。まあ〜男とはその程度のものであろう。カルテの整理等は看護婦の仕事だ。その看護婦も暇を持て余している。だがこれでも俸給は破格だ。年収にすればスケベ男達を相手にしていた数十倍はある。

 ――はあ〜でもいいのかしら。こんなに貰って。 でも御領主様にとっては微々たる物なのでしょうね。
さすがは王家と張り合うほどの権力者ってわけか。
 それでもこの今の地位を捨てるつもりはさらさらライザにはない。長く務めれば務めるほど自分にはプラスになる。しかし……暇だ。あれこれぼや〜と考えていると、
「先生、男官ロッド殿が」看護婦の一人が声を掛ける。
「え?」
 思わず少年がいる方向を向く。そこには、ライザ好みの少年が軽く会釈をして立っていた。

「こ、こちらへ、ロッド殿」
「はい」
看護婦達も好奇心に満ちた顔で見つめている。男官ロッド、ミセルバ様の愛人……ということに一応なっているのだが。事情はもう看護婦やライザにも知れ渡っていた。
「今日はどうなさいました?」
「は、はい、実は」
 椅子に座って軽く下を向くロッド。なるほど、確かにモテそうな顔立ちだ。おまけにかわいいと来ている。人気があるのも無理はあるまい。

「あ、あの……し……下がですね」
「した?舌がどうかしましたか?」
「いえ、もっと下」
「は?」
一瞬シーンとなる診察室。
「い、いや……あの、他の女性がいっぱいいたら恥ずかしいのですが」
「はあ、え……では、席をはずさせましょう。あなた達お願い」
 看護婦達はしぶしぶ隣の部屋へ向かって行く。どうやらもっと目の保養にしたいという気持ちを持っている者が多いようだ。

「これでいい?ぼう……いえロッド殿」
 思わず坊やと言いそうになるライザ。それほど童顔系の顔をしている。
「はい」
 にこりとロッドは女医に向かって微笑む。

 ――や、やだあ〜か、かわいい。抱きしめたい……。

 ますますこの男の子が気になってたまらないライザ。元貴族の息子にライザは興味を持ち始めた。
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