「おい! さっさとすませろって!」
 暴れる娘。そういう気持ちをよそにこの貴族風の男は、ゆっくりと娘のおっぱいを楽しむように吸っている。吊るされてされるのは我慢ならないのだろうか? 
「あわてるでない、今からではないか、じっくりとかわいがってやるぞ」
「ちっ! このエロおやじが!」
 気の強さ満々である。
「どうとでもいえ、そういう態度が堕ちていくのを見るのもまた一興じゃ」
 こちらも乳首をしゃぶりながら言い返す。だが、あまり愛撫は上手ではないようだ。一向に感じない娘。

 ただただ荒々しいだけである。

「あ……」
 ちょっとだけ敏感になってきたようだ。顔が赤くなる。
「ぐふふ、よい表情に変わってきたようじゃの」
 言い方まで気持ち悪い男だ。下品きまわりない。おっぱいだけ剥ぎ取るようにして服を破って、そこから露出した乳首を丁寧にいじり回している。さすがの娘もちょっとだけ、その気になってきたようだ。

「借金はいくらだったのだ?」
 下半身を脱がしながら、聞いてきた男。どうやら額も知らないようだ。それで全部払ってやるというのだろうか?
「金貨1000枚ぐらいだよ」
「ほう〜」
 借りまくって金利が払えなくなったのだろう。この金額はどっかの国で200万ほどにあたる金額だ。

「おお、毛深いなお前」
 あそこをじっくりと見る男。両腕を大の字に吊るされて、下半身は足を開いたチャイナ服。そこから見るあそこはさぞ絶景だろう。小娘はそれを言われるとちょっと黙った。
「さて、どう料理してやろうかの」
 と言って穴をまさぐる。うっという一瞬のうめき声がした。

「さっさと済ませてよ」
「そうはいかん!」
 サッと否定する男。ゆっくり撫で回すようにいたぶってやろうというのか? 男のいやらしい愛撫が始まった……



「どう? 満足した?」
「ああ……」
 二回目が終わってスッキリしているラブロック。ふう〜っとため息をついている。満足感が出たのだろう。

「ねえ〜これからどうなるのかしら?」
「あっ?」
 ベッドでの問いかけに振り向くラブロック。
「どうもならんよ、このままだ」
 平然と言う。
「そうは思わないのよ、私」
「なんで?」
 仰向けになって返事をする。ラブロックはこれでもう終わると思っている。
「ミセルバ様は今回の件にかなり心を痛めていらっしゃるのよ」
「ほう……そうかよ」
 まったく気にもしていない。

「このままで済むのかしら」
「どうにもならんよ、どう出ると言うんだ?」
 チラッとレイカの方を見る。レイカが目をあわす。
 レイカの方は真剣、ラブロックの方はいいかげんだ。

「ミセルバ公が何か動くとでも?」
「馬車を連れさらわれたわ」
 レイカがちょっと語気を強めた。
「無駄だ、証拠がない」
「……でも……」
「なんだ? お前証言でもするのか、今日ココで言ったことを」
 起き上がるラブロック。それはちとまずいという顔だ。
「そんなことしたってあなたが認めるわけないでしょ」
「当たり前だ」
 チッという顔をする黒騎士。まあ大丈夫だろうと思っているようだ。
「私が気にしているのは、ミセルバ様がこのまま引き下がるとは思えないの」
「だから言っているだろ、たとえ屋敷を調査したところでもう無駄だ。知らぬといえばそれまで、後どうするというのだ?」
 なかなか認めようとしないレイカにちょっといらだつラブロック。もうこの話はめんどくさいようだ。

「わからないわ」
「思い知るだけだ……ツス家というものを知るためにな」
「え?」
 レイカが聞き返した。
「俺も直接は聞いていないが……多分リリパット卿は、ミセルバ様に気を使えってことを言っていると思う」
「気を使う?」
「ああ、そうだ」

 

 気を使わせるためにリリスを犯し、ミクをあんな目に合わせたのか?


「ミセルバ公は領主におなりになられてから、まったく気を使っていないと噂だ」
「なに? その気を使うって?」
 レイカには意味がわからない。おっぱいをプルンと動かしながらラブロックに近づく。
「領主になった時、新しい人事などをやる時にまったく意見を聞かずに決めたそうだ」
「それのどこがいけないの?」
「あ〜のな、ここは特殊なんだよ、領主が独断で決める事柄も、事前に他の貴族の意見も聞くのが普通なんだ。特にツス家の人間には話を通しておくのが筋というわけ」
「ふ〜ん……」
 レイカもうすうすは知っている。

「でも、なんでそんなことしないといけないの?」
「そうやってお互いうまくやってきたんだよ、この二つの家は……」
 そう言うと横にあるウイスキーを飲み始めた。うまそうにごくごくと飲む黒騎士長。
「ミセルバ様はそれをやっていないというわけ?」
「ああ……噂じゃそうだ。これうめえな〜」
 ウイスキーの味が気に入ったようだ。どこにでもあるウイスキーだが、女を抱いた後には特に飲み応えがあるのだろう。
「でも、本来そんなことする必要はないのでしょう?」
「だから言ってるだろ、それをしなきゃいけないことに慣例ではなっているんだよ」
 うまそうに飲むラブロック。
「じゃあ、そのために……あの二人を?」
「それは俺は知らん。そこまではわからんよ」
 一気に飲み干すラブロック。格別にうまいらしい。これでますます酔ってきたようだ。ご機嫌な顔に変わる。

「おい、ガッツはやめて俺にしろよ。いずれ俺と奴の立場はひっくり返るかもしれないしな」
「なによそれ?」
 ひっくり返るという言葉が気にかかる。まあ、口説いているようだが。
「仕えている家の立場が変われば俺とガッツの立場も変わる、わかるか?」
 スッと迫ってきたラブロック、もう一回しようとでもいうのだろうか?裸のレイカを笑いながら見る。

「いずれ……な……飲み込まれるかも知れねえ〜」
「え?」
 ピクッと眉が動くメイド長。
「お前だってもう状況は知っているだろ?」
「…………」
「今や、うい〜どこのギルドもみな、ツス家の方から許可さえもらえればそれでよいと思っている」
「…………」
 メイドのレイカにもそれはわかっていた。ベッドで寝そべりながらレイカはちょっと下を向く。あらゆるギルドの認可を与える権限は領主とアウグス家が持っている。、ツス家はその次の補助のような存在だ。領内に100近くあるギルド組織……その組織の各々の長は、本来アウグス家から許可や認可を受け、営業や活動をしている。が、それを代行し、実際動かしているのはツス家の人たちだった。
 いつの間にか、補助が実質的な許可権や認可権を持つようになって、もはやアウグス家が持っているのは形だけになっていたのである。もちろん書類上はアウグス家の領主がすべて認可、許可することにはなっているが。

「もはや……な、飾りだ、アウグス家は。いなくてもぜんぜん必要なし!」
 結構驚くことを言う黒騎士長
「…………」
 黙って聞いているレイカ。自分の仕えているミセルバ様を馬鹿にされた気分だ。気持ちいいものではない。
「ミセルバ様は知的な方らしいが、まだ若い。残りはあのミルマルグス様ぐらいかな、行動できる人は」
 続けるラブロック。酔っているので次から次に言葉が出るらしい。
「後は……逆らう気もないだろうな、このままでいいとさえ思っている方も多いと聞く」
「ふ〜ん、そう……」
「揉めて今の立場が壊れるのが怖いんだろうよ。言われたとおりにしておけば、飾りでも地位は上だからな。王家より任命された領主の地位を継げるという家柄さえ守ればいいというわけだ」
 えらそうに講釈を垂れるラブロック。この男、結構べらべらしゃべるタイプらしい。

「ということだ、将来ひっくり返る保険としていまのうちに……俺と……な?」
 どうやら口説く口実にもしているようだ。
「ガッツのが団長だからあなたより上じゃない」
「わかってねえなあ〜お前は〜」
 スッと顔を寄せて言い返すラブロック。納得できないといつまでも言うタイプらしい。

「わかるように教えてやる!」
「きゃああっ!!」
 三回目が始まった……
 
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