「う〜ん、これなんかいいかな?」
 ラミレスがじっとなにやら変な物質を見つめている。それを不思議そうに見ているメイド。

「はあ〜、こんなの何に使うのでしょう?」
「うふふ、秘密」
 にっこりと笑うラミレス。ポポがルビアたちとの朝の挨拶が終わった頃、
 こちらでは市場で売っている変な物を触っているラミレス。ここは城下町にある市場だ。市場といってもいろいろジャンルに別れている。生活用品からお化粧品、服飾屋……そして何の役に立つかわからない雑貨屋まで。

 この市場からまっすぐに向かうと王城ルクセンバロックに続く通路がある。
 その途中に見えるのがこのお店だ。

 それにしても変わった物が置いてある店だ、売られているものを見ると……

 

 夜、神様に会えるという水晶、

 嫌な男が近寄らなくなるペンダント、

 突然美人になれるというまな板……

 妙なものばっかりだ。




 ――にしても……このまえのルビアの身体はドキドキものだったな。


 ……お風呂場で覗いたルビアのおっぱいはラミレスにとって魅力いっぱいだった。

 しかしラミレスはポポがルビアともうただの関係ではないことはまだ知らない。



「これって本当に嫌な男が近寄らなくなるのでしょうか?」
「さあ〜どうだろうね……ん? 嫌な男でもいるの?」
 ラミレスが横にいるメイドのクリスに言う。
「うふふ、ちょっと」
 クリスがクスッと笑う。するとタイミングよく……

「ほんとにほんと!」
 部屋の奥から店の主人が現れた。
「ほんとですか?」
「はいはい」
 ニコニコ笑う店の主人。売れりゃあなんでもありといった顔だ。
 今の時代に、最も良く似合うタイプ。

「だまされちゃだめだよ」
 ラミレスが笑ってちくりと言う。
「はいはい」
 メイドもわかっているようだ。
「失礼なことを言われますな〜」
 ちょっと笑いながらも不機嫌の主人。


 その時!


 どーんっ!!


 ドドッ! ドーンッ!――――

「なんだ?」
 ものすごい音がした。

「なんでしょう?」
 びっくりするクリスと店の主人。あわてて主人が店から出る。

「うわ!!」
 びっくりする店の主人。
 それもそのはず、お城の一部から大きな煙が出ていたのだ。

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