ぐったりとしているマレイアス。吊るしたままサルンはほっておくことにしたらしい。ものすごいけだるい表情だ。今まで考えられない絶頂感がマレイアスを襲い続けている。

 ものすごい余韻……


 (あはっ……すごい……)
 徹底的に焦らされたマレイアス。その穴は洪水のように愛液を流し続けている。

 エルフのセックスの効果はここまであるのだ。


 ――さて……と――
 チラッと今度はランカを見るサルン。ペニスは勃起状態のまま。

「…………」
 このすさまじい状況を吊るされて見ていたランカ。

「ランカ……久しぶりだね」
「サルン様……いえ、サルデイーニ殿下」
 顔が真っ赤のランカ。あそこがもうびしょびしょだ。この状況に感じていたのだろう。
 加えてサルンのイチモツが目の前。

「もう僕は殿下じゃない」
 冷たく言い放つサルン。
「…………」
 黙っているランカ。
「なぜ王族どもは自ら来ない」
「…………」
「ふざけた連中だ、君たちでは僕を殺しも拘束も出来ないのに」
 むっとするサルン。

「サルン様……お願いです、もう人間の女性を……」
「犯すのはやめろというのか?」
 キッと睨むサルン。
「この女は明日も昼間は女たちに、夜は僕が徹底的に狂わせてやろうと思ってる」
「サルン様……」
 哀しそうなランカ。気の強そうな顔が哀愁漂う表情になる。
「こいつは生贄だ」
 きっぱりと言い放つサルン。そして……

「じゃあ、さっきのこの女騎士が言った言葉を呑むか?」
 にこっと笑って言うサルン。すると拒絶反応をしたランカ。

「ふふ、屈辱だよな、女軍人として立派な地位にいる人間があんな犯罪者たちに陵辱されるのは」
「…………サルンさま」
 下を向くランカ。
「嫌なら明日も一日中マレイアスを攻め続けるだけだ」
 なんという美少年だ。サルンという少年は。これを取引にするつもりらしい。

「無理やりでも言わせてあげるよ」
 と言ってサルンはランカの下半身を触手で犯し始めた。









「どうするおつもりか?」
 老人が問い詰める。

「…………今本国に連絡をしております。もう少しお待ちを」
 頭を下げるエルフの副官。

「最悪……こうなることはわかっていたのではないのか?」

 ドキッとする副官のエルフ。

「わしはエルフの王族とも親しい間柄、なんとなく状況がわかってきたつもりじゃ」
 神妙な顔つきで副官を見るブックル。

「……私からは何も言えません」
 辛い立場のようだ。副官のエルフは……。


「困ったな……」
 冷静を装っているが、本音は一言文句も言いたいブックル。自分の立場がエルフの国に影響を与える貴族でなければ感情をむき出しにしてとうに怒鳴っている。
かわいい娘が誘拐されているのだ。しかし、エルフの王族とも親しいこの老人が本気で怒れば後々人間とエルフとの間に禍根を残す……
 へたすれば人間とエルフの争いの火種になる場合もある。

 


 我慢強い老人だ。

 本来政治とはこうでなければやっていけない。

「要請書を書くので、渡してくれぬか?」
「……は……はい」
「そなたたちの王へ渡す要請書じゃ、このまま何もせずにいるのならこちらも考えがある」
 今回だけではない、サルンは以前にも人間の貴族の女を犯している。
 それもかなりの身分の者を……

「わかりました」
 頭を軽く下げたエルフの副官。


 ――サルン……サルン……サルデイーニ……。

 (間違いあるまい……サルデイーニであろうな)
 

 (生きていたというわけか……こりゃ面倒なことになりそうじゃ)

 老人は心の中でつぶやいた。


 
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