父上が目の前にいる…… あの父が…… 僕を幽閉したあの父が…… にらむサルン。しかし、まだ動けないサルン。 王の気迫はすごい。その凄みにたじろいでいる。年老いた父とはいえ、凄みがある。サルディーニには、まだ得られていない力と経験だ。 王族達が光の玉を作り出す。それと一緒に王は特攻するつもりらしい。サルンも光った。 それを受けて立つつもりのようだ。 あくまでも攻撃しないサルン。服が、汚れたおしゃれな服がなびいている…… サルンが、慎重になって動かないなら、ある意味都合がいい。光の玉を十分に作れる時間があるからだ。だが……後、数発打てればいい方だろう。 もはや、みな、限界に近い。 「はなてええええ!――」 巨大な光の玉が、王めがけていく! 同時に、みずから光る少年! その光と光に包まれた王が、サルンに突っ込んでいった! 「きゃああああああああっ!――――」 すさまじい閃光がマレアイスを襲う! 今度はカプセルが動く! 遠くに離れるように!―― カプセルが、危険だと判断した! ビシャアアアアアアアアアアアアッ!!―― 爆音とともに、光の中心が吹き飛んだ! サルンの防御の光と、王と王族の心のこもった光が、ぶつかりあったのだ! 最初の激しい一撃よりも、これはさらにすごい! 王と、邪悪な未来の王のぶつかりだ! 真っ白に覆ってた光が消えていく…… 「う……ううっ……」 右腕の脇の下の部分に…… 父の手が、手が…… 突き刺さっていた!―― 「うがああっ!――」 顔をしかめるサルン! えぐられる肉! だが、王も瀕死の状態だ! 鎧は破壊され、、肉体には強烈なダメージが残っている! 「だめか……」 少年の動きはこれでは止められない! サルンの負傷は、じきに再生して、治ってしまうだろう。 一方の王のパワーはもう残っていない。結界の疲れは大きい。 今のが、全霊を込めた一撃であった…… サルンには、まだ、パワーがある。再生するパワーも、戦うパワーも! 負傷した逆の手で、玉を作るサルン! 手を天高くあげ、憎しみを込めるように…… 「くらえっ!――――」 父にその一撃をぶつけた! 「ぐはあああああああっ!!――――」 サッと瞬間にカプセルが王の周りを守る! しかし、無情にも破られた! そのまま強烈! 地面に叩きつけられた王! ズドーンという音が、地面に響く! それほどの強烈な一撃だった…… 動かない、ピクリとも…… その瀕死の王に、サルンは…… 巨大な玉を……さらに天に作り始めた…… 「あああっ……」 おどろくマレイアス。カプセルの中で叫ぶ! 「いま、打ったら!――」 確実に王は……身動きが止まるだろう。 「堕ちろおおおおおおおおおおおおっ!――――」 サルンがさけんだ! 無情の邪悪な光の玉が、王の身体を直撃する! 爆音とともに…… 「ち、父上!――――」 エルディーニが泣き叫ぶ!―― そこには、丸焦げ状態の……無残な父の姿があった…… |
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