天にも昇るような気持ちよさを味わっているマレイアス。 この気持ちよさは、人間のペニスでは無理だ。 だが、そう思うということは……意識が回復しているということだ。 …… ………… ……………… ――あっ…… ぼや〜っと目の前を見る。セックスが終わった後の、余韻に浸っているように…… すると、何か動揺しているサルンの姿がある…… ――なんだ? サルン……? もぞもぞする感覚も戻ってきた。その感覚は、剣を持っている手に感じる…… 「え……」 もう一度マレイアスは、剣を持っている手をみた。触手が巻きついている手……その手を見て、サルンが動揺しているのだ。 「……なぜだ?」 サルンが、困惑する。 (どういうことだ……なぜ、手の指を……) 無理やり、指をこじ開けさせ、剣を奪おうとしたサルン。ところが…… (触手が……とまる?) 意思とは……無関係? ――サルン…… ボーっとして状況を見ている女騎士。かすかに、動揺しているサルンの姿が見える。だが、状況判断がまだよくできない。 目を丸くして驚いている、 サルディーニ。 「こ、こんな……」 初めて見る表情だ。その状況が判断できないマレイアス。 だが、もう一人の乙女は違った! 「マレイアス!―――― 倒して! サルディーニをおおおおおおおおおっ!――――」 地上から叫ぶラゼ。その声で目が覚めたマレイアス。剣を持っている手は、グルグル巻きにされた触手群だ。しかし、なぜか、なんとか動かせる! 「うおおおおおおおおおおおおおっ!!――」 マレイアスが赤いドレスを着たまま、再び剣を振りかざす!―― おどろく、サルディーニ。とっさにマレイアスの膣へ伸びているペニスを引っ込める! 絡んでいる触手を、剣でぶちきっていく!―― (お、おのれ!――) 状況に困惑するサルディーニ! すべての触手を切り落としたドレスの女騎士。だが、それは…… 宙に浮いているマレイアスの落下を意味するのだ。 しかし、瞬間に、サルンの新たな触手が、マレイアスを捕まえた!―― まだ困惑しているサルディーニ…… (どういうことだ?) わからない、わからないサルディーニ。 つかまったが、落下は防いだマレイアス。だが、今度は離れている。もうカプセルはとっくの昔に壊れている。自由自在に空を移動できない人間には、この状況では攻撃するすべはない。サルディーニの触手に助けてもらっているようなものだ。 サルディーニが、もう一度触手で、剣を奪おうとする。 ところが…… 「なぜだ!――」 触手で指をこじ開けれない! 強引に触手で掴んでいる剣の手の指を、こじ開けようとするサルディーニ! なのにそれができない!―― 「……まさ……か……」 ラゼが、この状況でなにかをつかんだ! 「マレイアス! 倒せるわ! マレイアス!―― あなたなら、あなたなら! 倒せるのよ!――」 懸命な声で叫ぶ! 「倒せる? 本当に?」 まだ、マレイアスには意味がわからない。 「あなただけが、あなただけが! サルディーニを倒せるのよ!――――」 ラゼの渾身の祈りを込めた声であった。 |
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