亜津子と優実が、絆を確かめあった後のことだ。

 ここは水泳部。
 その水泳部のロッカーに女学生が一人……いる。

 ゆっくりとブラを外し、水着を身に着けていく……
 名前は如月翔子。

 誰もかなわないと自負する肉体。その肉体が、みなに見せ付けるように立っている。

 ――よし、ばっちりだわ。
 自らの完璧な肉体を値踏みするように見る。弱点はないわと認識。
 当然という表情のお嬢様。しかし、なぜか憎らしいというより、かわいい顔だ。

 ここが、翔子の魅力の一つでもある。

 ――行きましょう。
 自身満々に身体を動かす翔子。
 いよいよ水泳部デビューである。
 
 水泳部は結構な人数がいる。ダイエットに最適とあって人気も高い。
 テニス部に継ぐ人気らしい。だが、一生懸命泳いでいる者もいれば、半分遊んでいるいる者もいる。

 どうやら、競技として、本格的に取り組んでいるいる者と、ダイエット目的の者と分かれているようだ。そんな中を、優雅に歩いていく如月翔子。

 まるでもう三回生のような態度だ。

 ――ねえ、あの人が翔子さん?
 ――そうよ

 ひそひそ話の一回生たち。その間を美しい水着姿が通過していく。
 威厳のある顔立ち、他人を寄せ付けないオーラを放つ肉体。

 しかし、人を魅了する目……

 その力に三回生や二回生も圧倒される。圧倒的な存在感。

「初めまして、如月翔子と申します。よろしく」
 先輩方に挨拶する翔子。だが、挨拶をされた方が圧倒されている。

「あ、あなたが……」
 三回生の一人が、ちょっと躊躇。
「いらっしゃい、よく来たわね。歓迎するわ」
 後ろから声をかけ、笑ったのは、三藤綺羅だった。勝手に準部員にした張本人。

「よろしく」
 笑顔で答える翔子。

 ところで、テニス部はどうなったのであろうか?


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