妖しい薬


 塗られ始めた薬。ローションのような感じのモノらしい。両手でライザがペニスに直接塗り始める。

 わあっ、ひんやりする。

 少し収まりかけていたペニスに再び快楽の波が迫りつつある。
「ちょっとべたべたするけど我慢してね」
「は、はい」

 ――ま、また、あれしてもらえるのかな?あっ、なっ、なにかんがえてるんだろ……僕。

 さっきの上下に擦られた快感が忘れられない。あんなことを女性にしてもらったのは初めてだ。
しかも直接手で。治療とはいいながら、ロットはこれって本当に治療なの?っていう疑問は沸いてきていた。でもゆっくりとまんべんなくペニス全体に塗っていくライザを見ると、とても何か魂胆があるとは思えない。チラリとロットが寝たままの状態でライザを見る。

 ――そうだよな、治療だよな。でも……。

 ロットは自分に言い聞かせるように心の中で整理をしている。

 あっ、ま、また……き、きた。

 上下にまたもや擦られ始めた。だがさっきよりも刺激は小さい、それでも勃起の回復には十分だ。

 ――ふふふ、じっくり塗りこんであげるわね。

 混ぜ合わされた薬の一つは確かに治療薬なのだが、もう一つは全く別物だ。これを塗られると、性感作用が高まり、性的興奮が持続するものらしい。女性にはあそこへ塗ると効果があり、男性にはペニスに塗ればOKというモノだ。しかし、医務室のライザの机の中になぜこんなモノが。

 理由は簡単だ、ちょくちょくライザは勤務中に使っているのからだ。これは塗れば即、愛液であそこがびちょびちょになって顔に変化が現われるというようなモノではない。一種の興奮剤みたいなものなのである。そう、現代でいえばドーピング。でもこれは女性の場合。男性は……ちがう。

 ――これだけ塗ったらねえ〜ふふふ。

ライザの口元がちょっと緩んでしまった。平静を装うつもりでずっといたのだが、思わず本音が顔に出たらしい。一方なにも知らないロットは、快感にまた耐えている。さっきのようにあやうくイキそうにならないためにも早めに気持ちの予防線を張ろうとしているようだ。

「はい、これで終わりです。お疲れ様でした」
「あ、はい、どうも」
 ロットのアレはまだ大きくなっている。もう、終わり?正直な気持ちロットはまだまだ攻められると思っていたらしい。しかし起き上がって見ると、今の状況を冷静に把握したようだ。
 綺麗な女医の前で、下半身裸でペニスを勃起させた少年。

 なんか恥ずかしいよなあ〜。

 いそいそとモノをしまいこむロット。
「副作用があるかもしれないけど、ひどい時はまたきて下さい」
「え?副作用」
「ええ、といってもちょっと快感がね……強くなるというか敏感になるというか、その程度ですから。心配しないで」
「は、はあ」
快感が強くなる……ロットにとってはその程度では済まないだろう。まあでも女医が心配しないでというから心配しなくていいのかもしれない。

「じゃあ、何かあったらまたきても……」
「ええ、もちろん歓迎しますよロット殿」
「あ、ははは……」

 意味深な言葉を言って微笑むライザ。ロットは軽く会釈して医務室を出た。

「せんせい〜もう終わりましたあ?」
「いいわよ、入ってきて片付けて頂戴」
「は〜い」
 看護婦達が見透かしたようにぞろぞろと別室から入ってくる。

「あの〜先生」
「なに?」
 ゼラにライザが聞き返す

「何の治療されてたのですか?」
「ふふふ〜秘密」
「あ〜いいなあ」

 一仕事終えて椅子に座りくつろいでいるライザ。

 ――結構いいモノ持ってたわねえ。ふふふ、ちょっとした意地悪ってとこかしら。
 くつろぎながらライザは心の中で微笑むのだった。
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