いい……のかな?

 キスを交わす二人。ロットがリリスの毒牙にはまり始める。スッとリリスが唇を離す。
「今日のお礼です」
「いや……そ、そんな」
「お嫌ですか?」
「い、いや……そ、そんな」
微笑むリリス。
「下を治療してもいいですか?」
「い、いや……そ、そう?」

「あはは……いいの?」

 誘惑に負け始めるロット。別に実は悪いことではない。男官は他に女性と関係しても構わないからだ。悪い言い方をすれば宝石のようなモノ。宝石はたくさんの人が触るモノ。しかし男官の相手が嫌がればまた別だが。正式な婿ではないのだからそういう考え方になる。しかもロットの場合、表向きの男官なのだから恋愛はもっと自由だ。しかし、今日の事でお礼と言われてするのはちょっと気が引ける。
「でも、今日のことで……それで、だったら」
 ロットが続きを言おうとした時、またもや口を塞がれる。

 ――んんんっ……

 今度は舌が入ってきた。少年にとって初めてのディープキス。
 ロットは童貞ではない。経験はある。だがキスで舌までいれたことはなかった。経験も一回だけ。同じ身分の貴族の男達と売春婦を抱きに行った時以来。

 ――と、とろけそう……。

 徐々に官能の欲望が芽生えはじめる。ねっとりとした舌入れ。これはたまらない。リリスの手がロットのペニスを服の上から襲い始めた。
 そっと唇を離して……。
「じっとしていてくださいね」

 耳元でささやかれる魔法の言葉。
 
 ――あっ……うん。

 ロットは魔法に掛かったように動かなくなる。リリスは少年のペニスをゆっくりと服から表に出す。そこにはいまかいまかと待っていたモノが喜びの声をあげていきり起っていた。

 ――まあ……意外と立派。

 ゆっくりとペニスがリリスの唇に支配され始める。女医にペニスを弄ばれ……次にメイドのサブリーダーに……ロットのペニスは幸せモノだ。片手でペニスの根元を持ってねっとりとリリスは攻め始めた。
 
 ――舌が……襲う。唇が襲う。歯が襲う。

 ――企みを――

 考えながら……先々のことを……あらゆる事を想定して。

 リリス……この女性は、恐ろしいほどの魅力を……なにかを感じる。身体も魅力的な彼女だが、ペニスを狂わせるその唇、舌、歯――

 すべてが恐ろしい――

 今までの地獄の経験が……この手馴れた行動を起こすのだろうか? 政治家なら……大物なのかもしれない。ロットはペニスの愛撫だけではなくその背後のゾクゾクするような悪寒も感じていた。危険を察知する悪寒だろうか?だがその悪寒は……。
 すぐに快感に変わる。いや強引に淫靡に変えられる。それがこの女性リリスのなせる技。じっくりゆっくりと……少年のペニスが……唾液で満たされて行く。

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