リリパット


 大きなお屋敷だ。周りにはまるで城壁のような壁作りがしてある。城壁は歩いていっても永遠と続くような長さだ。ミセルバ様のお城と同じぐらいかと錯覚するようなほどである。内部の作りも屋敷というよりは城にちかい。部屋数は相当な数に上る。メイド、使用人も贅沢なほど雇っており、まさに財力を見せ付けるためにいるようなものだ。
 この広大な屋敷はすべてある一族……いや人間のためにある。
 その一族の最高権力者が……

 リリパット――



 ミセルバがこの地方の表の支配者ならば……

 この男は……裏の支配者と言ってもいい。


「うむ、今日はなかなかいい表情をしていたな」
「まあ、リリパット様ったら」
 横にいるスタイル抜群の女性が恥ずかしそうに笑っている。ベッドにいる男女はお互いの肌を触れ合わせながら抱擁を重ねている。身体を動かすたびにシーツの擦れる音がする。
 シーツもこの国では最高級品のモノだろう。特殊な刺繍がしてあり、豪華さを際ださせている。周りには数多くの彫刻、壁画、高級品と呼ばれる置物があり、贅を極めているといった感じだ。
 寝室でこの豪華さ……一見すればミセルバ様よりも財力がありそうに見える部屋だ。
 妖しく、淫らな表情で女が男にさらに顔を近づける。口ひげをはやした男は女の唇を奪う。長く、ねっとりとしたキス。
 腕で女を抱きかかえると鼻息を荒くしながら、ご自慢のペニスを女の下半身に挿入する。

 うむ……二回目も具合はいい――

 切れ味するどい目で女の表情を見つめる裏の権力者。その権力者に抱かれている女の名は。


 ――シスア――

 あのシスアだ。

 ミセルバのメイドの一人……リリスとメイドの次長の座を争っている一人だ。

 ああっ、リリパットさま――

 奥深く侵入した権力者のペニスが、シスアの股間を喜びの時間に変える。それにしてもこの男、50を過ぎた人間とはとても思えない。鍛え抜かれた筋肉……ごつごつした両腕、まるでボディビルダーのようだ。盛り上がる腕の筋肉でシスアの火照った身体を貪り食う。不適な笑みを浮かべながら、自分のペニスにのたうちまわっているシスアを見つめるのだ。
 この男に睨まれればこの地方では生きてはいけない。金、権力、女……特に女に関しては執念深い。
 一度狙った獲物は人の奥方だろうと、必ず手に入れるというタイプだ。
 タイプ的にはガッツとよく似ている。乱れに乱れまくっているシスアを後ろから突き上げる。体中は汗だらけだ。が、ギラギラと光る男の目に疲れの色は見えない。よつんばいになったシスアの髪を後ろから鷲掴みし、男女の結合部を激しく動かす。

 うあ!、あう!――

 うめき声をあげるシスア。強烈な性欲が身体中を狂わせる。にやっとリリパットが笑った。フィニッシュが近い証拠だ。さらに激しく動く淫らな腰。

 おうっ!おう!おうううっ!――

 後ろから乳房を掴んだままドクドクと精液を流し込む。その瞬間睨みつけるような目が、少しやさしくなる。

 ――ふう〜最高だ……

 欲望を満たした喜びに一息つくリリパット。シスアも強烈な余韻に浸っている。いつもながらの激しくサディストのような攻め。だがこの男の側にいれば……メリットは無限大。
 リリスがいろいろな事を画策しているのならば、このシスアも女の肉体をフルに使っているのだ。

 リリパットさま……すごくいい――ああっ……リリパットさま。

 攻めに攻められ疲れきった肉体は休息を必要としていた。
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