――ふああああ〜 寝覚めの悪い朝……。ゆっくりとポポが起き上がる。あれから夜も良く眠れなかったポポ。理由はもちろん新しい性衝動に興奮しちゃったからだ。とはいってもまだ人に試したことはないけど。ポポはまだ童貞だ。女性の経験もない。もちろん興味はありあり。だけどどうすればいいのかもよく分からない。本や、ラミレスからの知識等でみっちり勉強はしていても実践経験がないのだ。性関係で一生懸命やっているのはオナニーぐらい。 昨日はペニスが眠ることに抵抗していた。あんなすごい小説を読んだのは初めて。といっても特別過激というわけでもなかった小説。でもなにか、なにか新しい目覚めを感じている。あの小説での女戦士の責め方は今まで読んだことがない。しかもルビアに顔が……イラストが、似ているのだ。いま思い出しても興奮するぐらい。結局あまり眠れなかった。 ――今日も城にこもりっきりかなあ。 ポポにしてみれば城にこもるということはただただ退屈なだけ。外に出れないというのは本当に辛い。しかもだ、今日から無期限に外出禁止らしい。成長盛りの少年にしてみればはげしくつまらない毎日になる。さらに部屋の中でも自分一人だけではなくなるのだ。 「おはようございます、殿下」 「う、うん」 朝の食事が終わって、すぐポポは部屋に向かった。というより強制的に向かわされたといった方がいいそしていそんぎんちゃくのようにつきまとう軍人と外国の外交官。クリティーナ、ジト、クライシスの三人だルビアは今ポポの母親である王妃と何か話をしているらしいとのこと。 ――まいったよなあ。 部屋から出るなと言われると出たくなるのが本音だ。まして遊びたい盛りの少年にひきこもりになれというのは地獄である。しかも大人の監視付……。外に出て遊びたい、遊びたいという欲求が募るポポ。だが現実が許してくれない。 「ねえ、いつまでこのままなの?」 「無期限です」 ジトがさっと答える。もう少し言い方もあるだろうに。 「無期限っていつまで?」 「だから無期限です殿下」 頭ごなしにきっぱりと言うジト。昨日の今日だから仕方ないのかもしれないが。 「退屈だよ、ジト」 殿下が言い返す。 「仕方ありません、殿下のためです」 「暇だ、ジト」 「仕方ありません」 「何か面白いこと言ってよジト」 「何も言うことはありません」 「ジトってつまんない」 ぷう〜っと殿下がほっぺをふくらます。これがまたかわいい。それを見てエリート外交官がクスッと笑う殿下とジトのやりとりが面白いのだろう。ジトはけっこうまじめなタイプなのかもしれない。するとノックの音がする。 「失礼します」 ルビアが入ってきた。今日ルビアに会うのは初めてのポポ。ところがポポはサッと下を向く。 「おはようございます、殿下」 挨拶とともに敬礼するルビア。 「う、うん」 ちょっと恥ずかしそうなポポ。理由は簡単、昨日の小説の影響がある。でもルビアはポポがこっちを見てくれないことにはあまり気にならないようだ。と、いうのも頭の中が今はそれどころではない。 「王妃様に呼ばれていたのですか?」 クライシス外交官が問いかけてきた。クライシスは昨日の出来事の時はいなかった。事情だけは知っている。 「うん、昨日はいろいろとね」 「そうですか」 激しい戦闘があったと聞かされていたクライシス外交官。相手の方は何人か死んだらしい。正直いなくて良かったと思っているのだろう。ルビアは側にあった椅子に腰掛ける。ちょっと落ち着いてきたといった感じだ。 ――王妃様は……甘い、危機感がなさ過ぎる。なぜわかってくださらないのか? ルビアは王妃とのやりとりを思いだし始めた。 |
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